2012 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症原因遺伝子TLSのメチル化異常による発症機構の解明と治療法開発
Project/Area Number |
23659461
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
黒川 理樹 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70170107)
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Keywords | 酵素 / 遺伝子 / 核酸 / 生体分子 / 発現制御 |
Research Abstract |
我々は、非コードRNA(ncRNA)がTLS(Translocated in liposarcoma)/FUSに結合して、TLS機能を制御するRNAリガンドとして作用することを報告した(Nature,2008)。最近、TLSは筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子として再発見された。質量分析の結果は、ALS変異型TLSにはアルギニン特異的メチル化酵素PRMT5の結合が消失していた。この結果から、変異型TLSはアルギニン・メチル化消失とそれに伴うタンパク質結合の異常から、不溶性凝集体を形成してALSを発症する仮説を立てた。本研究の目的は、この仮説の検証と変異型TLSのPRMT5結合を回復させるRNAリガンド作成である。我々はTLSのR216/R218がジメチル化されることを報告した(BBRC, 2011)。そこで、これらのジメチル化されたアルギニン残基を認識するモノクローナル抗体の作成を試みた。その結果、R216/218のジメチル化を識別する抗体F4を得た。このF4抗体を用いて、TLSのメチル化を詳細にしらべると、PRMT5によるTLSのR216/218のメチル化には補助因子の結合が必須であった。これより、ALSのメチル化異常にこの補助因子の機能不全が予想された。F4抗体を用いたウエスタンブロットから、ALS変異型TLSでのメチル化の低下が見られた。さらに、TLSに特異的に結合するcyclin D1プロモーター由来長鎖非コードRNA(pncRNA-D)を同定し、このRNAの結合がALS型TLSのメチル化不全を回復させるか鋭意検討中である。このpncRNA-Dは、ALS治療に応用可能な核酸医薬の有望なシードとなる可能性がある。以上のように、本研究は有意な実績得たと自負している。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Regulation of Telomere Length by G-Quadruplex Telomere DNA- and TERRA-Binding Protein TLS/FUS.2013
Author(s)
Takahama, K., Takada, A., Tada, S., Shimizu, M., Sayama, K., Kurokawa, R., and Oyoshi, T.
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Journal Title
Chem Biol
Volume: Vol.20
Pages: 341-350
DOI
Peer Reviewed
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