2011 Fiscal Year Research-status Report
脂肪酸伸長酵素Elovl6欠損マウスの2型糖尿病の発症・進展抑制機序の解明
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23659464
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松坂 賢 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70400679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢藤 繁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50451703)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪酸 |
Research Abstract |
脂肪酸伸長Elovl6の欠損により糖尿病の発症や進展が抑制されるかについて明らかにするため、先天的にレプチン受容体欠損により肥満を通して2型糖尿病を発症するdb/dbマウスとElovl6KOマウスの交配動物を作成し、その表現型を解析した。その結果、db/dbマウスに比べてdb/db-Elovl6KOマウスは空腹時・随時血糖およびHbA1c値が大幅に低下し、糖尿病の発症・進展が抑制された。db/dbマウスに比べてdb/db-Elovl6KOマウスではランゲルハンス氏島の肥大と数の増加が起こり、それにより血中インスリン値が上昇し、糖尿病の発症が抑制されたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の期待通り、Elovl6の欠損によりdb/dbマウスの糖尿病の発症が抑制される結果が得られ、それが膵ベータ細胞の機能改善に起因することを示唆するデータが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験結果から、Elovl6の欠損による脂肪酸組成の変化が、db/dbマウスに認められる膵β細胞機能不全の抑制や膵β細胞の増殖・肥大促進などを引き起こし、糖尿病の発症を抑制する可能性が考えられる。今後、膵β細胞に着目し、組織学的解析、網羅的遺伝子発現解析、タンパク質発現、脂質分析を進め、Elovl6欠損による糖尿病発症抑制の分子機序を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表のための旅費に200,000円を使用するほかは、実験にす要する消耗品費とマウス飼育費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)