2011 Fiscal Year Research-status Report
非妊娠時におけるセロトニンを介した膵β細胞増殖制御の可能性の探索
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23659472
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (60343480)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / セロトニン / 妊娠糖尿病 |
Research Abstract |
平成23年度研究実施計画に記載した通り、我々は最近Rip(rat insulin promoter)-Creマウス(Magnuson (Vanderbilt University)作製)では定常状態においても膵ラ氏島にセロトニンが高発現していることを見出した。この膵ラ氏島を単離し、Tph1, Tph2の発現レベルを定量的PCR法を用いて評価したところ、コントロールのC57BL/6マウスの膵島に比し、有意に高いTph遺伝子の発現が観察された。以上の観察より、このRip-Cre マウスでは定常状態においても、少なくとも Tph↑ → セロトニン分泌↑ という経路が活性化されていることが明らかとなった。 次に、この機序の解明に関して、他の膵β細胞にCreが強発現する。Rip-Cre line (Herrera P. (University of Geneva)ら作製)やPDX-1-Cre line (Gu G.(Vanderbilt University)ら作製)を入手し、各マウスの膵β細胞におけるセロトニンの発現を調べたが、これらのマウスの膵β細胞には、セロトニンの発現が認められなかった。そこで、Rip-Cre (Magnuson) lineにおけるCreのIntegration site近傍の遺伝子発現の変化がこれらの変化を生んでいる可能性を考え、現在このラインにおけるCreのIntegration siteの同定にとりかかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Rip-Cre (Magnuson) lineにおいて、特異的に膵β細胞におけるセロトニンの発現が認められた。今後は、このメカニズムに関して検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記原因として、現在、CreのIntegration site近傍の遺伝子発現の変化が膵β細胞におけるセロトニンの発現の原因と考えている。そこで、現在このラインにおけるCreのIntegration siteを同定し、その領域に外来性の遺伝子が挿入されることで、何らかの内因性の遺伝子が変化するか否かに関して検討する。
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