2013 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物における小胞体ストレスから細胞死に至るプロセスの解析
Project/Area Number |
23659475
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大磯 ユタカ 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40203707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 寛 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50422770)
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Keywords | バゾプレシン / 小胞体ストレス / オートファギー |
Research Abstract |
家族性中枢性尿崩症(FNDI)モデルマウスの表現型を加速させる目的で同マウスに間歇的脱水負荷を与えた。自由飲水下FNDIマウスのバゾプレシンニューロンでは、凝集体が小胞体の一区画に限局して存在し(ERAC: ER-associated compartmentの形成)、正常な内腔が保たれた小胞体も同時に観察されたことから、小胞体の機能を維持するためにERACが形成される可能性が示唆された。一方,脱水負荷4週後にはERACの形成は破綻し、拡張した小胞体全域に散らばった凝集体を認めた。また,凝集体で満たされた小胞体を取り囲む二重膜が観察され、小胞体を対象としたオートファジー(ERファジー)が惹起されることが確認された。FNDI/GFP-LC3マウスのバゾプレシンニューロンでは脱水負荷によりGFP-LC3は集積し、かつ同部位にp62の発現を認めたことから、選択的オートファジーも誘導されていることが示唆された。脱水負荷12週後にはバゾプレシンニューロンの細胞数は30-40%減少し,残存するバゾプレシンニューロンでは細胞質が空胞で占拠されていた。以上より、FNDIマウスのバゾプレシンニューロンでは ERAC形成の破綻が誘因となってERファジーや選択的オートファジーが誘導されること、またp62の誘導はユビキチン化タンパク質の蓄積による二次的なものではなく、小胞体ストレスに対する応答(unfolded protein response)であることが示された。さらに,本来は細胞保護的なオートファジーが過剰に誘導され続けた結果として、細胞の生存に必要なオルガネラまでもが失われて細胞質が空胞化し,バゾプレシンニューロンが細胞死(オートファジー関連細胞死)に至ることが示唆された。
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[Journal Article] Arginine vasopressin neuronal loss results from autophagy-associated cell death in a mouse model for familial neurohypophysial diabetes insipidus2014
Author(s)
Hagiwara D, Arima H, Morishita Y, Wenjun L, Azuma Y, Ito Y, Suga H, Goto M, Banno R, Sugimura Y, Shiota A, Asai N, Takahashi M, Oiso Y
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Journal Title
Cell Death Dis
Volume: 27;5
Pages: e1148
Peer Reviewed
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