2012 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌における癌-間質微小環境相互作用と癌幹細胞に関する研究
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23659478
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
安井 和明 長崎大学, 大学病院, 医員 (30594064)
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Keywords | 上皮間葉移行 / 癌幹細胞 / aldehyde dehydrogenase |
Research Abstract |
癌転移は多段階の過程を経て行われるが、その過程の中で上皮間葉移行(epithelial to mesenchymal transition; EMT)が重要な役割を果たしていることが明らかになってきている。また、EMTが誘導された癌細胞は癌幹細胞(cancer stem cell, CSC)の性質を獲得するとの報告がある。甲状腺癌では、ALDH(aldehyde dehydrogenase) が癌幹細胞のマーカーとして知られている。 本研究ではまず、5種類の細胞株におけるEMT状態を検討したところ、4つがmesenchymal状態であったが、ACT-1細胞は上皮系の性質を保持していることが明らかとなった。次にこの細胞に、SNAIL遺伝子の強制発現によりEMTが誘導されることを示し、さらにEMT誘導によって、ALDH 陰性のACT-SNAIL細胞が癌幹細胞の性質を獲得することが示唆された。これらの結果は、EMTとCSC特性、ALDH活性の関係を考えるうえで非常に示唆に富む物であると考えられる。
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Research Products
(2 results)