2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン依存性癌における細胞・生体イメージングを活用したエネルギー代謝機構の解明
Project/Area Number |
23659479
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
堀江 公仁子 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90261982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和博 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30343461)
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Keywords | ホルモン依存性がん / エネルギー代謝 / イメージング / 酸化的リン酸化 |
Research Abstract |
がん細胞では、エネルギー代謝において解糖系が優位であると考えられてきたのに対し、近年、酸化的リン酸化(OXPHOS)経路も重要である可能性が示唆され、がんの細胞増殖に加えて代謝状態を把握することが求められている。本研究は、ホルモン依存性がん増殖・進展におけるエネルギー代謝経路を明らかにする目的で、乳がん、前立腺がん等の各種がん細胞に、蛍光蛋白質レポーター遺伝子を発現した細胞を作製し、代謝経路阻害薬や低酸素状態、ホルモンや抗ホルモン薬刺激などの環境変化におけるがん細胞の細胞周期や代謝の状態を経時的にモニタリングするシステムを構築した。がん細胞親株と抗ホルモン薬耐性を獲得したがん細胞での培養系における細胞周期の動態の違いを、タイムラプス顕微鏡下で可視化することができるようになり、マウス心臓へのがん細胞移植実験により、ホルモン耐性細胞におけるがん転移動態を生体イメージングにより解析した。がん細胞での代謝遺伝子の発現について、RT-PCR、マイクロアレイ、次世代シーケンサーを用いたRNAシーケンスの手法を用いて解析した。また、ステロイドホルモン受容体や関連転写因子を介する代謝遺伝子の発現調節機構を次世代シーケンサーを用いたクロマチン免疫沈降法(ChIPシーケンス)にて解析し、ホルモン依存性がんのリガンド応答性やホルモン耐性にかかわる代謝経路を明らかにした。本研究により、ホルモン依存性がんの診断・治療・予防に応用できる新規分子標的を複数発見し、学会発表を行い論文投稿中である。
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[Journal Article] Association of double-positive FOXA1 and FOXP1 immunoreactivities with favorable prognosis of tamoxifen-treated breast cancer patients.2012
Author(s)
Ijichi N, Shigekawa T, Ikeda K, Horie-Inoue K, Shimizu C, Saji S, Aogi K, Tsuda H, Osaki A, Saeki T, Inoue S.
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Journal Title
Horm Cancer
Volume: 3(4)
Pages: 147-159
DOI
Peer Reviewed
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