2012 Fiscal Year Annual Research Report
SGA性低身長機序におけるGHーIGFー1軸へのエピジェネティック変異関与の解明
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23659480
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
芝崎 保 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00147399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 崇宏 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40366654)
大畠 久幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (80256924)
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Keywords | 低出生体重 / 追いつき成長 / 低栄養 / マイクロDNA / DNAメチル化 |
Research Abstract |
出生時の身長や体重が在胎期間に比して小さいSGA (small for gestational age) 児の追いつき成長を規定する内分泌学的因子の詳細は不明である。我々は妊娠中のカロリー制限により生じる低出生体重仔のうち、離乳時の21日齢時までに対照ラットの体長および体重の平均-2SD以内まで追いつき成長しない短体長低体重ラット(SGA-NCG, small for gestational age and non-catch up growth) の血中IGF-1および肝臓での成長ホルモン受容体 (GHR)、IGF-1、IGF-BP3のmRNA発現量が対照ラットに比べ低下し、その機序にGHR遺伝子の3’非翻訳領域に結合する配列を有するmiR-322の発現亢進が関与する可能性を昨年度までに明らかにしてきた。本年度は、雌雄のSGA-NCGラットを交配し、妊娠中に自由摂餌下で飼育しても追いつき成長を示さない短体長低体重ラット仔が生じること、これらの仔も肝でのmiR-322の発現量の亢進とGHRの発現量の低下、血中IGF-1濃度の低下が見られることを明らかにした。またSGA-NCGラットの肝でのmiR-322の発現量が亢進する機序に、miR-322の5'非翻訳領域のDNAのメチル化の低下が関与する可能性を示した。以上より、妊娠中の低栄養摂取は仔の肝でのDNAのメチル化を変化させるためmiR-322の発現の亢進が生じ、その結果、GHRの発現の低下によるIGF-1の分泌量低下のため短体長が生じる可能性と、これらの遺伝子の発現量の変化は次世代まで遺伝することが示された。 さらにmiR-322の発現抑制による体長の回復を目的とし、miR-322のアンチセンス鎖を発現する組換えアデノウイルスベクターを作出し、初代培養肝細胞への組換えアデノウイルス感染ではGHR発現量が増加することを認めた。
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Research Products
(1 results)