2011 Fiscal Year Research-status Report
核分葉と遺伝子発現調節の関係:好中球およびATL細胞を利用した研究
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23659485
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内丸 薫 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (60251203)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ATL / DNAメチル化 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
我々の開発したCD3/7の発現レベルを用いたmulti-color FACSによる急性型ATL細胞の検出系において急性型ATL細胞はCD3dim/CD7lowの分画に高度に濃縮されるが、同時にCD3dim/CD7dimの集団が検出されinverse PCRによる解析でこの集団は急性型ATL細胞と同じクローンであり、腫瘍化過程のHTLV-1感染細胞を検出している可能性が示唆された。急性型以外に慢性型ATL、無症候性キャリアの検体を80例解析した。その結果、キャリアから病型が進行するにつれてCD7dim/lowの集団が増加していくことが明らかになった。CD7 high、dim、negativeの3分画にソーティングを行い形態を観察すると、CD7 high画分は核異型が乏しいのに対して、CD7 dim分画では軽度の核のくびれが見られ、CD7 negative分画では核のくびれが強い花弁細胞が濃縮され、HTLV-1感染細胞の腫瘍化過程の進行に伴う表面形質の変化とともに核異型が進行していくことが明らかとなった。 従来の解析系では、CD7high集団とCD7dim 集団の分離が不完全で、CD7low集団についても一部非感染細胞が混入している可能性があり、より純度の高い細胞集団を解析するため、ATL細胞で高発現していることが報告されているCADM1の発現レベルを組み込んだ解析系を開発した。その結果HTLV-1感染細胞ではCD7発現レベルの低下とともにCADM1の発現が見られCD7high集団とCD7dim集団が明瞭に分離されることが明らかになった。これらの分画をソーティングにより分取し、メチル化アレイ解析によりプロモーターメチル化の網羅的解析を行い、腫瘍化過程に伴う遺伝子発現のエピジェネティックな制御の変化を解析し、核分葉化に関連する新たな遺伝子候補の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
HTLV-1感染細胞のCD7high集団とCD7dim集団をソーティングにより分取し、メチル化アレイ解析によりプロモーターメチル化の網羅的解析を行うことによって腫瘍化過程に伴う遺伝子発現のエピジェネティックな制御の変化を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、3症例について上記の解析を行なったが、さらに症例数を増やして解析を行なう。また、同一症例において病型が進展した場合には解析を行ない、進展前と比較する。
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