2012 Fiscal Year Annual Research Report
核分葉と遺伝子発現調節の関係:好中球およびATL細胞を利用した研究
Project/Area Number |
23659485
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内丸 薫 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (60251203)
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Keywords | 好中球 / ATL / エピジェネティクス / メチル化 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
multi-color FACSによるHTLV-1感染細胞のCADM1/CD7の発現レベルの解析を継続し今年度は約60例で解析を行った。その結果HTLV-1キャリアの段階からCADM1(-)/CD7 high(H)、CADM1(+)/CD7dim(D)、CADM1(+)/CD7low(L)の3つの集団が認められ、病態の進行とともにD、Lの集団が増加すること、末梢血中プロウイルス量が多い、異常リンパ球が増加している等の進行したキャリアではD、Lの集団にinverse PCRで共通のmajorなバンドが認められ、clonal な増殖とともにclonal evolutionが起こっていることなどを明らかにした。これらの分画をソーティングし、メチル化アレイ解析によりプロモーターメチル化の網羅的解析を行い、PからDへの進展に伴い大きくプロモーターメチル化のパターンが変化し、DとLではほとんど変化がなかったことから、HTLV-1キャリア、indolent ATL、 acute ATLの症例でこれらの集団の遺伝子発現アレイ解析を施行した。クラスター解析の結果acuteのL、キャリア、indolent ATLに関わらずDとL、およびHがclusterされてきた。これらの結果はメチル化アレイ解析の結果から予測されたように、既にHTLV-1キャリアの段階からclonal に増殖を始めているDの集団は既にATLとしての基本的な性格をもった集団であることを示唆し、腫瘍化へ向けて病態の進行とともにこれらの集団が徐々に増加して行き、Acute typeのLの集団でさらに発現が変化する遺伝子、あるいはpathwayが最終的な腫瘍化に重要と考えられる。また、今回の結果はこれらの遺伝子発現パターンの制御にプロモーターメチル化が非常に重要な働きをしていることを示唆している。
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