2012 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞におけるHLAアレル欠失現象を利用した再生不良性貧血自己抗原の同定
Project/Area Number |
23659486
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中尾 眞二 金沢大学, 医学系, 教授 (70217660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤塚 美樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (70333391)
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Keywords | 再生不良性貧血 / 6pLOH / 自己抗原 / CTL / HLA-B*40:02 |
Research Abstract |
抗HLA-Aアレル特異的抗体を用いたHLA-Aアレル欠失血球の検出感度を改良し、診断後間もない再生不良性貧血(再不貧)症例を対象として、6番染色体短腕の片親性2倍体によるHLA遺伝子領域のloss of heterozygosity (6pLOH)陽性細胞を検索した。新規発症例31症例では6例(28.6%)に、全顆粒球中で3.9% - 61.1%(中央値8.4%)の6pLOH陽性細胞が検出された。陽性症例における6pLOH陽性細胞の割合は、既治療(10.3% - 99.4%、中央値52.3%)に比べて低値であった。現在、peptide nucleic acid probeを用いたFISH法による検出を計画している。 一方、この6pLOH陽性細胞を持つ再不貧患者の末梢血CD8陽性細胞を、HLA-B*40:02遺伝子を導入したK562 陽性細胞で刺激することにより、HLA-B*40:02導入K562のみを特異的に傷害する細胞傷害性T細胞(CTL)クローン(A6)を樹立した。このCTLは、HLA-B*40:02を導入したB細胞やT細胞株のJurkat、ヒト胎児腎細胞株293T細胞などを傷害しなかったことから、HLA-B61によって提示される造血幹細胞由来のペプチドを認識していると考えられた。現在、K562由来のcDNAライブラリーを用いた発現クローニングを用いて、A6の標的ペプチドの同定を試みている。
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