2011 Fiscal Year Annual Research Report
T-TMにより分子修飾されたHMGB1の測定法の確立と生体内ダイナミズムの解析
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23659491
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯総合研究科, 特任教授 (20082282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯総合研究科, 教授 (70250917)
大山 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 特任助教 (20583470)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 大学院・医歯総合研究科, 特任講師 (20381171)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | トロンボモジュリン / トロンビン / HMGB1 / DIC / des-HMGB1 |
Research Abstract |
【研究の背景】本研究は申請者らのこれまでの観察、すなわち、i)内皮細胞上のトロンボモデュリン(TM)がそのN末端で核由来のサイトカインHMGB1を吸着し(J Clin Ivest 2005 115 : 1267)、N末端からアミノ酸10残基を切断して不活化すること(Arterioscler Thromb Vas Blol.2008 ; 28 : 1825)、そしてiii)この分解HMGB1(des-HMGB1と命名)が受容体レベルintact HMGB1と競合して、その活性を負に制御すること、などの応用発展編である。具体的にはこのdes-HMGB1の測定系を確立して、そのダイナミズムを解析して、その臨床意義を明らかにすることである。 【研究実績】 1.des-HMGB1の測定系の確立 我々がこれまでに作製した抗HMGB1抗体、ならびに市販の抗体は全てdes-HMGB1とも反応する。したがって申請者らが確立したHMGB1 ELISAはdes-HMGB1をも計りこんでしまう。そこで、des-HMGB1のN末端その10残基を合成して、これを抗原として免疫して特異的モノクロナル抗体を作製し、特異的ELISA系を確立した。 2.確立des-HMGB1測定系の特異性 現在確立しているdes-HMGB1は約10%のintactHMGB1を計りこんでいた。従ってdes-HMGB1値は、des-HMGB1の値の90%がdes-HMGB1ということになる。 3.des-HMGB1ダイナミズムの解析 本測定系をもちいたこれまでの解析では、リコンビナントTM投与のDIC(播種性血管内凝固症候群)でdes-HMGB1は高値を示してい。これらの例の臨床病態は現在症例を増やして解析中である。またリコンビナントTM治療とは関係なく、腹水や関節液中に高値であった。現在、des-HMGB1の血中半減期やダイナミズム、des-HMGB1値とリコンビサントTMの効果、予後などとの関連を検討中である。
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