2011 Fiscal Year Annual Research Report
セルソーティングを実装したメタゲノミック診断法の開発
Project/Area Number |
23659505
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安永 照雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20260630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 和徳 大阪大学, 微生物病研究所, 特任教授 (80160414)
中村 昇太 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90432434)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | メタゲノム / 感染症診断 / セルソーティング / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
【目的】 我々はメタゲノム解析を応用した病原体検出システム"メタゲノミック診断法"を開発し、ヒト検体の抽出核酸からインフルエンザやノロウイルス、また病原性細菌の直接同定に成功してきた。これまでの取り組みから、このメタゲノミック診断法の解決すべき課題として、ヒトゲノムや臨床サンプルに付着するカビや細菌など様々な生物のコンタミネーション由来の無駄な遺伝情報が検出の効率や感度を下げていることが明らかとなった。咽頭スワブや便検体などの臨床検体は雑多な混合物であり、この混合状態から病原体の候補細菌だけをあらかじめ分離することができれば、無駄な遺伝情報を省き、病原性細菌の有用な遺伝情報を多く得ることが可能である。本研究の目的は、この病原体の精製分離にマイクロ流路チップ搭載型のフローサイトメーターを用い、セルソーティング機能を実装したメタゲノミック診断法を確立することである。 【結果】 はじめに正常便からの細菌菌体抽出についての前処理法の検討を行った結果、緩衝液による懸濁とフィルタリングの処理によって便検体中の細菌を抽出し、その生死判定をマイクロチップ搭載型フローサイトメーターFISHMAN-Rを用いて解析する一連のプロトコルを確立した。便検体について凍結サンプルを解析した結果、細菌分布はほぼその全てがDEAD画分に移行し、便検体は1度の凍結で、生死判定には使えないことが明らかになった。今後は臨床検体の保存法と固定化法について検討する必要がある。 マイクロチップ搭載型フローサイトメーターFISHMAN-Rにソーティングモジュールを搭載した世界初のモデルを導入し、ソーティングとメタゲノム解析を組み合わせた解析法の開発を行った。セルソーティング後の細菌数は数十から数百と非常に少量の細菌しか得ることができない。このソーティング後の菌体から核酸を抽出し、16Sディープシーケンシングによるメタゲノム解析法を試みた。PCR条件の検討を行った結果、目的のPCR産物を得ることができ、ソーティングとメタゲノム解析を組み合わせた検出法の基礎を確立した。
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Research Products
(15 results)