2012 Fiscal Year Annual Research Report
毛細血管拡張性運動失調症における耐糖能異常発症機構の解明
Project/Area Number |
23659517
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高木 正稔 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10406267)
|
Keywords | ATM / 脂肪細胞分化 |
Research Abstract |
毛細血管拡張性小脳失調症Ataxia Telangiectasia (A-T)は小脳失調、毛細血管拡張、免疫不全、早老症や耐糖能異常を示し、悪性腫瘍を高率に合併する疾患である。責任遺伝子ATMはDNA障害で活性化され、DNA損傷応答機構の上で中心的な役割を担っている。ATMがDNA損傷応答機構以外にも多くの役割を持っていることはA-T患者の表現系より強く示唆されるが、中でもインスリン刺激伝達経路で役割を担っていることは我々の研究結果も含め、過去の報告が強く示唆している。 本研究ではATMによる脂肪細胞分化調節機構を分子生物学的に明らかにすることを通して、個体の糖代謝におけるATMの役割を明らかにする。ATMはDNA損傷応答機構にかかわる重要な分子である。DNA損傷応答機構と脂肪細胞分化制御、個体の糖代謝への関連に研究を展開する。 も作年度は脂肪細胞分化に際し野生型およびATM欠損細胞で発現量に差異にあるmicroRNAを網羅的に解析し、miR-A発現することで脂肪細胞分化誘導障害が見られ、ATM欠損細胞ではこのmicroRNAが高発現していることが脂肪細胞分化誘導障害の原因と考えられた。また本年度はATMノックアウトマウスの表現型の解析を主に行い、micro CTを用いた解析から、脂肪細胞分布に異常があることを明らかにし、またグルコースクランプテストを用い、耐糖能異常があることを確認した。また治療法開発のための研究としてPARPγアゴニストであるpioglitazonを用い、ATMノックアウトマウスの耐糖能異常改善を目的とした研究を開始した。
|