2013 Fiscal Year Annual Research Report
人工多能性幹細胞由来神経細胞を用いたウイルスベクターによる脊髄性筋萎縮症の治療
Project/Area Number |
23659530
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
荒川 正行 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (90398868)
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Keywords | 人工多能性幹細胞 / 脊髄性筋萎縮症 / RNAウイルス / ポリオウイルス |
Research Abstract |
本年度では、昨年度から引き続きヒトiPS細胞の運動神経分化誘導能を検討した結果、運動神経細胞のマーカーであるHb9陽性細胞は約10%と低率であった。その結果、運動神経分化誘導法の改善が必要であると判断した。そこで、神経分化誘導NTERA-2細胞、SMA患者由来線維芽細胞にPVベクターを用いてSMN蛋白質を発現させ、細胞内における発現、発現の挙動、外来蛋白質の機能解析を行った。このベクターで発現したSMN蛋白質は、細胞内で可視化できる工夫としてgreen fluorescent protein(GFP)をタグとし結合したSMN蛋白質として発現を確認した。その結果、レチノイン酸により神経分化誘導したNTERA-2細胞やSMA患者由来細胞では、PVベクター由来の外来GFP-SMN融合蛋白質が導入後4h以降で発現し、その細胞内の挙動は、核内でドット状の発現が見られ、その後、細胞質に広がり、発現量も増加することが明らかになった。また、SMA患者由来線維芽細胞では、導入8h後に、抗GFP抗体による免疫沈降法により調べた結果、発現したGFP-SMN融合蛋白質は、SMN結合蛋白質であるgemin2およびgemin3と共沈することが示された。したがって、発現したGFP-SMN融合蛋白質は細胞内でSMN複合体形成能を有することが示唆された。さらに、免疫組織化学染色法により核内でGFP-SMN蛋白質とgemin2が共染色されたことから、導入されたGFP-SMN蛋白質は、SMA患者由来細胞内で機能を有することが示された。これらの結果を、第61回日本ウイルス学会学術集会にて学会発表を行った。
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Research Products
(2 results)