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2011 Fiscal Year Research-status Report

180kDa類天疱瘡抗原の切断と自己抗原性獲得機構

Research Project

Project/Area Number 23659547
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

平子 善章  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (50377909)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords表皮水疱症 / ヘミデスモソーム
Research Abstract

本研究計画は、水疱性類天疱瘡(BP: bullous pemphigoid)をはじめとするいくつかの自己免疫性皮膚疾患の主な抗原タンパク質の一つであるBP180(180-kDa BP Antigen)のある特定の領域であるNC16Aドメインがなぜ主要な抗原部位となっているのか、その理由を明らかにすることを目的としている。23年度に実施した研究によって、以下のことを明らかにした。私は、私自身が作製した「NC16Aドメイン内に存在する切断依存的なエピトープ」を認識するモノクローナル抗体1337に注目し、まずこのエピトープがNC16Aドメイン中のどの領域に存在するのかを明らかにすることを目指した。切断依存的エピトープの位置を決定するため、大腸菌に発現させるNC16AドメインとN末端側タグの間にエンテロキナーゼと呼ばれるタンパク質切断酵素の認識配列を挿入し、生体中での切断が再現されるようにした。その結果、以下のことが明らかになった。1)1337抗体が認識するエピトープはウシBP180の546番目ロイシンから572番目アルギニンの範囲に存在すること。2)NC16Aドメインをエンテロキナーゼによって切断することで、1337抗体のエピトープへの親和性が大きく向上すること。今回の研究結果によって、切断範囲から少なくともとも16残基以上離れた約27残基の範囲のアミノ酸配列からも形成され得ることが明らかとなった。これは、これまで切断依存的エピトープの範囲として報告されていた、切断部を含むN末端8残基の範囲とは異なるものである。また、エンテロキナーゼによって1337抗体の親和性が上昇したことから、今回私たちが決定したエピトープは、確かに切断依存的に形成が促進されていることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1337抗体はウシBP180とのみ反応するので、1337抗体のエピトープ決定にはウシNC16Aドメインを含むリコンビナントを作製、実験に使用した。その結果、エピトープの位置を決定することができた。一方、線状IgA水疱症患者血清の抗原部位を決定するにはヒトNC16AドメインとC15ドメインの両方を含むリコンビナントを作製する必要があった。ところが、ウシとは異なり、発現量が極端に低かった。試行錯誤の末、結局、C15配列の一部を短くすると発現量が上昇することがわかった。以上の理由から、1337抗体のエピトープ決定に加えて、平成23年度に達成予定としていた線状IgA水疱症患者血清の主要エピトープの決定は、平成24年度におこなうこととなった。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては以下のことを予定している。今後は、まず、作製したヒトリコンビナントタンパク質を用いて、線状IgA水疱症の自己抗体のエピトープを決定する。さらに同様な切断依存的なエピトープの認識を示す自己抗体が類天疱瘡など他の水疱症患者にも存在するのかどうかを確かめる。また、この切断依存的なエピトープを含むリコンビナントタンパク質またはゴウセイペプチドをマウスに免疫することで、切断依存的な抗体が得られるようになるのかどうかを確かめることで、このようなエピトープが特殊な抗原性をもっていることを示す予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

自己点検の欄で記したように、ヒトNC16Aドメインを含む大腸菌リコンビナントの作製で試行錯誤したため、ヒト患者血清の実験に入れず、そのため、ヒト患者血清の研究に使用予定であった消耗品費が平成24年度に繰り越されることとなった。平成24年度においては、ヒト患者血清を用いた実験をおこなうことで、繰り越した研究費を使用する。また、それと並行して、当初計画通り、マウスへの抗原免疫実験も開始して、平成24年度に予定した研究費をこれに当てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Preparation of the hemidesmosome-rich fraction from a human squamous cell carcinoma line DJM-1

    • Author(s)
      Yoshiaki Hirako, Yuki Yonemoto, Katsushi Owaribe
    • Organizer
      第36回日本研究皮膚科学会年次学術大会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      平成23年12月8日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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