2012 Fiscal Year Annual Research Report
蕁麻疹と血管透過性:膜蛋白のプロセシングと分子機構の解明
Project/Area Number |
23659550
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平川 聡史 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50419511)
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Keywords | ヒスタミン / シグナル伝達 / 酵素 / ヒスタミン受容体 / 治療 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、蕁麻疹の病態を内皮細胞膜蛋白の病的変化と捉え、ectodomain sheddingに基づき血管透過性の亢進を分子レベルで解明することである。Ectodomain sheddingとは、I型膜蛋白が細胞外領域で切断されることである。Ectodomain sheddingは、様々な細胞ストレスやカルシウム・インフラックスにより生じる。蕁麻疹の本質は、血管透過性の亢進にあること、また血管内皮細胞がヒスタミン受容体を発現していることは周知の事実である。しかし、ヒスタミンを介した血管透過性の亢進が、血管内皮細胞の膜蛋白変化に基づくという本質的な知見は存在しない。従って、本研究課題では、血管透過性の破綻の本質には酵素による接着分子の切断が存在することを示し、研究内容を3つに大別する。①in vitro:ヒト皮膚由来血管内皮細胞を用いて、VE-cadherinのectodomain sheddingを同定する。平面培養にヒスタミンを添加し、VE-cadherinの切断に関わる至適条件を決定する。切断酵素は膜型MMPであることが推察されるため、siRNAでノックダウンし同定する。切断に関わるアミノ酸残基を欠失したmutated VE-cadherin cDNAを作成し、切断が解除されることを証明する。②ex vivo:マイクロ流路を作製し、血管内皮細胞に裏打ちされた微小循環モデルを構築する。新規マイクロ流路を用いて、ヒスタミン刺激により透過性試験を行う。透過性は蛍光デキストランの蛍光強度で測定し、経時的に評価する。さらに、H1レセプター拮抗阻害薬またはMMP阻害薬を添加し、血管透過性亢進に対する抑制効果を経時的かつ定量的に測定する。③in vivo:マウス皮膚を用いて、Mile’s assayにより阻害薬の薬理効果を評価する。
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Research Products
(11 results)