2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659551
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宇谷 厚志 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10292707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 文秀 長崎大学, 大学病院, 講師 (10333519)
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Keywords | ケロイド / マウス / バーシカン / コラーゲン / 動物モデル |
Research Abstract |
ケロイドは、機能障害のみならず瘙痒・疼痛、外見上の問題などが患者のQOLを低下させている難治性疾患である。その治療としての単純切除では再発が極めて多い。ケロイドの特徴は細胞外マトリックス(Extracellular Matrix:ECM)が過剰に沈着することであるが、正常皮膚創傷治癒と異なるECMが沈着する。今研究ではケロイド病変部由来の細胞(KL細胞)のECM過剰産生の機序を詳細に調べる。同時にKL細胞を用いてモデル動物を作製し、ケロイド治療への創薬に役立てることを目的とする。 H23年度までの研究計画と実績は、(1) ケロイド組織の採取ならびにKL細胞の樹立… H23年度までに5例の患者から病変部位由来の初代培養細胞を確立した。 (2) KL細胞のECM産生能力を検討する。マイクロアレイにて、マトリックス全般の発現増加を解析した。特にコンドロイチン硫酸をもつプロテオグリカンであるバーシカンの産生増強へのシグナルに焦点をあて検討した。 病変部、病変部由来培養細胞の両者でバーシカン転写活性の増強を見出した。また発現に影響を与えるサイトカイン等のスクリーニングによりIL-1bが産生抑制することが判明した。 (3) KL細胞をnudeマウスに移植する方法論・評価法の確立。コラーゲンスポンジをscaffoldとして使うのが最も効率よくケロイド病変部位のバーシカン過剰沈着をマウスの皮下で再現できた。 最終年度H24年度には、このヌードマウスを用いたケロイド再現モデルへ、IL-1b直接投与を行い、そのケロイド成長への影響をみた。In vitroの実験結果からの予想通り、IL-1b投与群において、その抑制が認められた。このことは、治療方法のスクリーニングとして、このマウスは有用であることを示唆していると考えた。
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Research Products
(3 results)