2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659552
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森田 明理 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264732)
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Keywords | 光線療法 / 免疫抑制 / 制御性T細胞 / TH17 / UVA1 |
Research Abstract |
本申請では、紫外線の波長特異性を利用するユニークなアプローチで、実際の臨床に応用できるレベルでの制御性T細胞を誘導し、さらに、機器開発につなげることを目的とする。 選択的長波長紫外線 (UVA1)・UVA1-LEDでは、100J/cm2の複数回照射で、遅延型過敏反応を抑制することを明らかとしたが、UVB領域とは異なるメカニズムであり、制御性T細胞の誘導は見られなかった。UVB領域とUVA領域では、免疫抑制の誘導メカニズムに大きな差違をもたらす可能性が示唆されたため、UVA1-LEDの照射装置の開発を進めた。通常のメチルハロゲンランプのUVA1照射機器に比べ、熱の影響が少なく、均一な照射が得られ、さらに消費電力は少なくなるというすぐれた特徴が得られた。 臨床での解析を同時に進め、乾癬患者68名(PUVAバス50名、ナローバンドUVB18名)とし、末梢血中TregおよびTh17の割合を治療前後で比較した。患者末梢血中のTregの割合は健常人と差がなく、また、Th17の割合も差を認めなかった。68例全症例における治療前後の比較では、Th17、Treg両者において有意な変化を認めなかったが、Tregでは、4.07%(健常人の平均値)以下のTreg Lowの患者群において、治療後に有意に増加し、Th17では3.01%(健常人の平均値+1SD)以上のTh17 Highの患者群において、治療後に有意に減少した。末梢血のTh17が減少しTregが誘導されTh17/Tregのimbalanceが是正されることにより、紫外線療法の治療効果がもたらされる可能性が考えられた。さらに、治療前のTregの割合が高い患者群でTh17が減少しやすいことから、光線治療を受ける乾癬患者の末梢血におけるIL-17A+Th17、Foxp3+Tregの測定は、治療の有効な客観的指標となる可能性があることが示された。
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Research Products
(6 results)