2011 Fiscal Year Research-status Report
パーキン遺伝子と精神障害の関わり -コピー数変異を含めた総合的分子遺伝学的研究-
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23659568
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐野 輝 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90332832)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | Parkin遺伝子 / 統合失調症 / 網羅的解析 |
Research Abstract |
常染色体劣性遺伝性若年性パーキンソン病(ARJP)は常染色体劣性遺伝病とされているにも関わらず、疾患変異をヘテロ接合性にしか有さない症例が存在することが知られている。我々はパーソナリティ障害、気分障害および強迫性障害類似症状を呈するドーパミン調節制御障害などを有するARJP症例数例についてリシークエンシングや定量的PCR法などによりいくつかの疾患変異を同定した。その中には変異をヘテロ接合性にしか持たないものも見出している。 本研究においては、健常人100名と統合失調症約100名を対象とし、Parkin遺伝子の上流領域を含めた全エクソンのリシークエンシング解析を行い変異の有無を検討し、さらにTaqman probeやサイバーグリーンを用いた定量的PCR法によってエクソンの欠失や重複変異の有無について解析を行う。これらの解析により、網羅的にParkin遺伝子の疾患変異解析を行い、健常人とその頻度を比べることを研究の目的としている。この中で我々は、既に健常人と統合失調症患者からの採血とDNAの抽出を部分的に終え、それらに関するリシークエンシング解析を行い変異の有無を検討し始めているが、いまだ特異な変異の発見には至っていない。今後は、更なるDNAサンプルの収集とTaqman probeやサイバーグリーンを用いた定量的PCR法によってエクソンの欠失や重複変異の有無について解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々は、既に健常人と統合失調症患者からの採血とDNAの抽出を部分的に終え、それらに関するリシークエンシング解析を行い変異の有無を検討し始めているが、いまだ特異な変異の発見には至っていない。網羅的解析においては時間と労力が著しくかかっており、その実施は計画に比しやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、更なるDNAサンプルの収集とTaqman probeやサイバーグリーンを用いた定量的PCR法によってエクソンの欠失や重複変異の有無について解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においては網羅的にParkin遺伝子の疾患変異解析を行うにあたって必要な試薬購入費を全経費として計上し、研究を続行したい。
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