2011 Fiscal Year Research-status Report
陽電子放出同位体62Zn-ポルフィリンを用いたがんPET診断法に関する研究
Project/Area Number |
23659576
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 裕史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70272200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 剛 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90510181)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 62Zn / ポルフィリン / PET |
Research Abstract |
本年度は実験計画書に従って作成したサンプル(特許申請のため詳細は未発表とする)および実際に臨床で使用されているPET造影剤レザフィリンの細胞内移行量測定および体内動態の検討を行った。 細胞内移行量測定では、正常胃粘膜細胞およびそのがん様変異細胞株を用いた。細胞内移行量測定の結果、Znをサンプルに錯体形成させたものと錯体形成させないものでは、錯体形成させたサンプルの方が多く細胞内移行を生じることが明らかとなった。またグルコース(Glc)を結合させたサンプルにおいては、Glc結合数と比例して細胞内移行量が増加すると予想していたが、実際にはGlcを2つ結合させたサンプルにおいて細胞内移行量が増加していた。さらに、そのサンプルにおける細胞内移行量増加はがん様細胞が顕著に示しており、正常細胞ではほとんど細胞内移行量の差は見られなかった。 マウスにおけるサンプルの体内動態を、プレリミナルな実験段階ではあるがPET撮影により施行した。サンプルの細胞内移行実験に用いた細胞をヌードマウスに移植することで担癌マウスを作成した。担癌モデルヌードマウスに対してサンプルを尾静脈より血中投与して経時変化を撮影した結果、どのサンプルにおいてもがん集積が見られた。しかし、各臓器への集積量算出やPET以外の解剖画像(MRIやCT)との画像重ね合わせが不十分であった。これらのデータは今後の課題として検討をすすめるものとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度においてはIn vitroでの検討を重視し、In vivoでの検討まで行くのは時間的に難しいと予想していた。しかし、実際にはプレリミナル実験ではあるが、担癌モデルマウスを使用したPET撮影まで実験が進行しており、当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、In vivoでの検討を中心に詳細な解析をおこない研究を推進する。また、必要に応じて官能基を変化させたサンプルを合成し、In vitroおよびIn vivoでの検討を行うものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は担癌マウス作成用のヌードマウス購入費、細胞培養費および実験施設までの出張費を中心として使用する予定である。
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