2012 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織の機能的変化の可視化を目指した生体イメージング法の確立と診断への応用
Project/Area Number |
23659583
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 講師 (00223298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究所, 教授 (20209399)
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Keywords | 生体イメージング法 / 脂肪組織 / 病態生理機能 / 可視化 |
Research Abstract |
皮下脂肪と内臓脂肪組織への移植による生体光イメージング画像の比較と移植後の発光シグナルの経時的変化 PAI-1・レポーター導入安定発現株をヌードマウスの麻酔下に、腹部皮下脂肪組織(106細胞)並びに腹腔内内臓脂肪組織(5 X 106細胞)に移植した。腹腔内内臓脂肪組織に移植したものでは、光シグナルが生体内を通って体外に出てくる過程で減弱する事が予想されまた、プレ実験で皮下脂肪に移植した場合に比べて20~40%程に減弱することが認められたため、内臓脂肪組織には5 X 106細胞を移植した。この実験では発現量が高いB-1株を用い、移植後5日目と3ヶ月後に項目2)の条件で撮像し、光イメージ画像を取得した。 移植後5日目の内臓脂肪での総光シグナル量(分散して現れたものを合計した473000カウント)は、5倍量の細胞数を移植したにもかかわらず、皮下脂肪のそれ(429000カウント)に比べほとんど同程度であった。これは移植脂肪細胞でのレポーター遺伝子発現量が減少しているのではなく、生体内に存在する内臓脂肪から光が減弱する(約22%)ためであると考えられた。事実、内臓脂肪組織でのPAI-1 mRNA発現量が減少しているわけではないことからも、このことが示唆された。5日目のデーターを見る限り、比較的短期の遺伝子発現変化をみるためには、レポーター発現株を移植する系は十分対応できるものと考えられた。 移植後3ヶ月を経て同様の実験条件で撮像したところ、内臓脂肪、皮下脂肪組織での移植脂肪細胞から発せられる光シグナルは皮下脂肪では5%程度に、また内臓脂肪では6-7%位に減少していた。おそらく移植した脂肪細胞は成着し、その後脂肪細胞へと分化するため、がん細胞のように増殖してシグナルが増えることはなかったためであると考えられる。
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