2011 Fiscal Year Research-status Report
高磁場装置と高性能傾斜磁場コイルを用いた超高速高感度MR代謝画像法の研究
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23659584
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像 / MR代謝画像 / エコープラナー法 / 13C-NMR |
Research Abstract |
今年度は、7T動物実験用MR装置で内径60mm、最大傾斜磁場強度1000mT/mの高性能傾斜磁場コイルを利用して、本研究の目的である高感度の多量子遷移(HMQC)による1H検出13C-MRスペクトロスコピー法と超高速イメージングであるエコープラナーイメージング(EPI)の手法を組み合わせたエコープラナースペクトロスコピックイメージング(EPSI)を実現するためのソフトウェア・ハードウェアの整備を並行して行った。ソフト面では、先ずはシステムコンソールに備えられていたEPIのパルスプログラムを基に1HのEPSIを実現するための撮像プログラムを作製した。また取得したデータはMR装置では処理できないため、外部PCに取り出し、代謝画像を構築できる処理プログラムを準備した。一方でHMQCによる1H検出13C-MR法の通常のケミカルシフトイメージングのパルスプログラムとデータ処理プログラムも作製した。それぞれが正常に動作することを確認したのち、これらを合体させて、1H検出13C-HMQC-EPSIの撮像プログラムを製作した。ハード面では、この傾斜磁場コイルに挿入できるよう、同調回路の可変コンデンサーをコンパクトにまとめたマウスの体全体をカバーできる直径35mm、長さ10cmの1H, 13C二重同調容積コイルを製作した。このコイルは、1H-MRイメージ、1H-EPI、1H-EPSI、13C-CSI、HMQC-CSI、HMQC-EPSIすべてに利用できるので、これを活用し、パルスプログラムとデータ処理プログラムのテストとデバッギング、撮像パラメータの最適化を行った。今年度はTR制御装置を導入し、これを用いて比較的大型の送信専用の1H, 13C二重同調容積コイルと小型の受信専用の1H同調表面コイルに自作のアクティブデカップリングの回路を組み込んだ組み合わせコイルの製作を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソフト面では、予定していた1H-EPSI、13C-CSI、HMQC-CSI、HMQC-EPSIの撮像のためのプログラムと外部コンピュータによるデータ処理のためのプログラムを準備できた。ハード面では、内径60mmの傾斜磁場コイルに挿入可能で感度良好な1H, 13C二重同調容積コイルを製作した。このソフトウェアとRFコイルを利用してファントムを用いた1H-EPSI、13C-CSI、HMQC-CSI、HMQC-EPSIのデータ収集とデータ処理を行い、プログラムのデバッグと機能向上を行い、それぞれの撮像法についてのパラメータの最適化を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実現したHMQC-EPSI法の更なる高感度化を目指して、既に導入したTR制御装置を使用してアクティブデカップリングの回路を組み込んだ大型の送信専用の1H, 13C二重同調容積コイルと小型の受信専用の1H同調表面コイルを組み合わせた新型のRFコイルの完成を目指す。高感度化を実現し、ファントムだけでなく動物実験でその有効性を実証して、生体レベルで13C代謝画像による代謝情報の高感度可視化を実現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在RFコイル製作を進めているところであるが、コイルは内径60mmの傾斜磁場コイルで入り口から約90cmの部位に設置する必要があり、しかも1H, 13C二重同調とアクティブデカップリングを組み込む必要があり技術的にも難しい。24年度は引き続きコイル製作のための非磁性、高耐圧の電子部品を購入する。予算面、仕様面で外部委託することはは難しいが、次年度が最終年度に当たるため、進捗の具合によっては自作困難な一部の回路について外部委託も考慮する。その他、実験動物、13C化合物、成果発表のために研究費を使用する予定である。
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