2011 Fiscal Year Research-status Report
サイバーナイフ治療におけるマシンビジョンシステムを用いた位置認識システムの開発
Project/Area Number |
23659589
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 和正 九州大学, 大学病院, 准教授 (20284507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 秀孝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20287353)
塩山 善之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323304)
穴井 重男 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (90380469)
吉留 郷志 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (70419612)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線治療 / マシンビジョンシステム / サイバーナイフ |
Research Abstract |
本研究の目的は、定位放射線治療専用の外照射治療装置であるサイバーナイフによる頭部・頭頸部腫瘍の治療をより安全かつ正確に実施するために、X線による被ばくがなく、短時間にセットアップが可能で、real timeに治療中の動きの検出が可能な、マシンビジョンシステムを用いた新しい位置認識システムを開発することである。 本年度は、3個のCCDカメラを用い、両側眼裂、両外耳等の顔面の構成要素の形状を認識し、その位置を計測するシステム(マシンビジョンシステム)のプロトタイプを作成した。本システムでは、位置検出を行ないたい形状(両側眼裂および両外耳)を含む任意のターゲットの映像を取得し、モデル画像領域の切り出しを行う。次に画像領域の特徴稜線を抽出、モデル化し、あらかじめ登録された基準画像の特徴稜線と相関マッチングを行う。これによりターゲット映像と基準画像の位置のずれ(X,Y,Z)が検出可能となった。 マイクロメータの先に取り付けた実物大のヒト頭部模型を用い、本システムの位置認識精度についての予備実験を行った。予備実験では、X, Y, Z方向に、約1mmの誤差で位置のずれを検出できた。本研究の意義は、眼裂および外耳等の形状の特徴抽出を行い、マシンビジョンシステムで位置認識を行う点であり、いままでに例がないものである。本システムが実用化すれば、サイバーナイフのみならず、通常のリニアックによる頭部・頭頸部腫瘍の放射線治療においても、セットアップにかかる時間を短縮でき、位置精度を向上でき、患者の被ばく線量を低減でき、さらに治療中のreal timeでの体動のモニタリングが実現できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予定通り、システムのプロトタイプの作成を行うことができた。しかし、システムの改良、バグの修正等が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度~平成25年度初めに現在のプロトタイプのバグを修正し、完成させる。また、平成24年度にはマイクロメータの先に取り付けた実物大のヒト頭部模型を用い、本システムの位置認識精度の検証を継続する。平成25年度中旬には予定通り、実際の臨床での本システムの精度検証を行うことを予定している。本システムの開発には、研究協力者のエンジニアリングシステム(株)種裕之氏、藤本和士氏との研究協力も進んでおり、最終的目標は達成できるものと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、プロトタイプのバグ修正のためのソフトウェアの開発、ヒト頭部模型での本システムの位置認識精度の検証のための物品費が必要である。また、研究成果の発表のための交通費、論文の英文校正代等を予定している。
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