2012 Fiscal Year Research-status Report
マラリア感染イメージングのための分子プローブの開発
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23659590
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 守雄 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60164373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原武 衛 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40325668)
淵上 剛志 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30432206)
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Keywords | 薬学 / 放射線 / 感染症 |
Research Abstract |
世界的に、微生物感染症が死因の第一位を占めているにもかかわらず、これまで、病因となる微生物を直接標的とするin vivo イメージングは、ほとんど行われていない。本学では、昨年度(平成24年度)に、放射性同位元素センター内に、小動物用PET/SPECT/CT を設置したP2(BSL2),P3(BSL3)施設が設置され、本邦初の感染症のin vivo イメージングが可能な本格的な研究環境を整備しつつあるところである。そこで、その間、我々のこれまでの、in vivoイメージングのための分子プローブを開発研究の経験を基に、当該年度は、マラリア感染イメージングのための分子プローブの準備と、それらの放射性ヨウ素標識体の体内動態等の検討を進めた。 抗マラリア薬を基本構造とする分子プローブ群の合成とその放射性ヨウ素標識体の体内動態等の検討 マラリア原虫の細胞膜を透過し、原虫内のタンパク質に強く結合し、集積することが期待できる抗マラリア薬キナクリンとそれらの関連化合物数種を合成し、その標識を行った。放射性ヨウ素標識キナクリンは、肺への集積が著しく高い結果となり、脳への移行は認められなかった。血中からは速やかな消失が認められたが、肝臓および腎臓においては滞留する傾向を示した。一方、一連のアクリジン化合物においては、置換基の種類や導入位置の違いによって、その体内動態は大きく変化した。特に、肺への滞留生と脳への移行性については,その違いが顕著であった。また、肺への移行が少ない化合物では、肝臓の分布が高くなる傾向があり、徐々に腸へ移行するものの、その消失は緩慢であった。今後、親水性を増加させる官能基の導入を行う等、マラリア原虫が集積する肝臓からの消失が早い化合物の開発を図る事になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した分子プローブの合成ならびに放射性ヨウ素標識は、順調に進行した。 ただ、本邦初の感染症イメージングセンターの活用に関しては、P3施設の整備、ならびに小動物用PET/SPECT/CTの調整等の進行状況にあわせて、段階的に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
感染分子イメージングセンターの設置により、RI施設の許可使用量が、飛躍的に上がった事から、高放射能の分子プローブの調製法を検討し、小動物用PET/SPECT/CTを活用して、最適なプローブを選択する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物の購入、放射性ヨウ素の購入,施設利用に必要な消耗品の購入等に使用する。
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