2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659595
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岸 和史 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70254547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 貴宏 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助教 (00382325)
坂口 和成 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 教授 (60178548)
佐藤 守男 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50154109)
千葉 尭弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60597079)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Hyaluronann / risk organ / brachytherapy / reirradiation / uterine cancer / prostate cancer / spacer / radiotherapy |
Research Abstract |
高精度・高線量の放射線治療に際して危険臓器を物理的に隔離する際の、生体に安全かつ腫瘍阻止能のある可塑性注入物(インプラント)の開発、基礎および臨床の研究を行った。開発では、注入可能な該物質を多種のヒアルロン酸ゲルの検討に絞りこんだ(ポリエチレングリコールゲルで研究競合を受けている)。また固形スペーサーでは特定部位に合った形状のシリコンバルーンを試作し物性を試験した(生体親和性ポリ乳酸ゲルで競合を受けている)。基質の一つ、架橋体ヒアルロン酸ゲルへの照射実験が連携施設でなされ、照射による崩壊は少なく10%程度までであることが分った。遊走試験では、300MDa,900MDaの天然型高分子ヒアルロン酸ゲルでは8時間後に遊走が活発となり、BSA入り対照よりやや多く見られたが。架橋体では活発ではなかった。遊走の前に細胞間の乖離が生じ偽足(pod)の伸長はそのあとに発生した。これらの時間的推移は接着因子の細胞間からの消失が先ず生じ、ついで骨格が誘導される現象系列に矛盾しなかった。またこのことは天然型高分子ヒアルロン酸ゲル天然型高分子ヒアルロン酸ゲルスペーサーは最大4時間(通常1-2時間)の小線源治療中で有効な遊走を誘導しえない事を意味した。臨床研究では、1.前立腺のスペーサー治療の患者の追跡での障害の無さ、2.傍大動脈リンパ節の照射後再発での小腸移動照射、3、前立腺がんの照射後再発の直腸回避照射、4.婦人科癌の照射後再発での直腸や小腸の回避照射、5、悪性黒色腫の再発、6.食道癌の照射後再発での食道移動照射、頭頸部や腹壁の腫瘍での皮膚・腹膜・粘膜を温存した根治的な照射計画などで有用性・有効性を確認できた。これらの臨床研究成果の一部は欧文で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.材料化学的試験:(1)基質材料の選定:終了した。(2)基質材料の粘性および架橋試験、(3)基質材料の生分解性の調節試験は関連機関との連携で最初の物質の基礎データを出していただき、次開発物質の検討に入った(検討会を予定)。(4)視認性(試験)結果は臨床データで報告した。(5)注入器具はゲルでは21ゲージPEIT針を選定し、バルーンでは14フレンチ糧を検討中である。なお24年度に予定された試験の内、(6)遊走(阻止)試験は、時系列遊走の観察で上記結果を得た。企業との連携は幸い内外の大手企業の先方からのアプローチがあり、研究計画について検討中である。臨床試験では、前述の臨床データの報告および未報告データがある。
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Strategy for Future Research Activity |
天然型・架橋型高分子ヒアルロン酸ゲルの細胞解離・遊走・増殖などの生物学的特性の定量および、阻害物質の検討および、放射線(X線・ガンマ線、粒子線(陽子・炭素・中性子線/中性子ホウ素捕獲))による物性への影響を観察する。それらの環境下で競合製品の試験データをも検討する。また固形スペーサー完成後にも同様の劣化等を検討する。臨床試験では、1.前立腺のスペーサー治療、2.傍大動脈リンパ節の照射後再発での小腸移動照射、3、前立腺がんの照射後再発の直腸回避照射、4.婦人科癌の照射後再発での直腸や小腸の回避照射、5、頭頸部の再発腫瘍:悪性黒色腫の再発、6.食道癌の照射後再発での食道移動照射、頭頸部や腹壁の腫瘍での皮膚・腹膜・粘膜を温存した根治的な照射計画などで有用性・有効性を確認したい。これらの臨床研究は、成果の一部は世に募った後欧文し報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大きなものから1.論文等の研究成果公表費(カラープリント費用・フリーアクセス化の費用を含む)が最大のウエイトを締める。2.発表・報告などの出張費用。3.試験薬および細胞購入代金(動物費用は不可能かもしれない)。
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