2011 Fiscal Year Research-status Report
B細胞の分化・増殖機構に即した抗体関連拒絶反応制御法の開発
Project/Area Number |
23659614
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大段 秀樹 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10363061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 友加 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90432666)
尾上 隆司 広島大学, 病院, 病院助教 (90549809)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 臓器移植 / 抗体関連拒絶反応 / B細胞 / CD1d / 血液型不適合 |
Research Abstract |
現在、臓器移植成績の向上を阻む最大の課題は、抗体関連拒絶反応である。抗体関連拒絶反応は、組織適合性抗原(HLA)ペプチドや血液型抗原及び異種糖鎖抗原が標的になる。我々は、それぞれの抗原に応答するB細胞が特徴的なフェノタイプや分化機構を示し、免疫抑制剤の感受性も大きく異なることをマウスモデルで解明した。本研究では、効率的なヒトB細胞活性化・分化モデルおよびヒューマナイズドマウスを確立し、これを用いて抗体関連拒絶反応に有用であると期待される我々が独自に開発した抗CD1d抗体(抗体拒絶反応抑制剤: 特願2009-110887)の特異性と感受性を解析し、B細胞の分化・増殖機構に即した新規抗体関連拒絶反応制御法を開発することを目的とする。 本年度は、効率的なヒトB細胞活性化・分化モデルを確立し、これを用いてプロテアソーム阻害剤と抗CD1d抗体の特異性と感受性を解析した。ヒト末梢血B細胞を抗IgM抗体F(ab)’の添加のもと培養しB細胞受容体(BCR)を架橋すると、B-1a細胞(CD19+CD11b+CD5+)への分化が確認された。BCRの架橋と共にLPSあるいはCPGを添加によりToll-like receptor4あるいは9へのシグナルを供給するとB-1b細胞(CD19+CD11b+CD5-)への分化誘導が確認された。ヒトCD40Lを発現させたマウス線維芽細胞(NIH-3T3)とIL-2/IL-4/IL-21も存在下で共培養するとB-2細胞(CD19+CD11b-CD5-)への分化誘導が確認された。以上のように、新たに確立したin vitro B細胞分化モデルを用い、我々が独自に開発したB-1細胞特異的抗体産生抑制剤(抗CD1d抗体)の特異性と感受性を解析した。今後、B細胞の分化・増殖機構に即した新規抗体関連拒絶反応制御法を開発につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトB細胞活性化・分化in vitroモデルの確立は、計画通り順調に進展している。分化増殖したB細胞亜群をNOG/SCIDマウスの腹腔内に移入し生着させるヒトB細胞移入ヒューマナイズドマウスin vivoモデルも、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に確立したヒトB細胞活性化・分化in vitroモデルおよびヒトB細胞移入ヒューマナイズドマウス in vivoモデルを用い、それぞれBortezomibを添加あるいは投与して、B細胞分化・増殖あるいは抗体産生能をIgMおよび各IgGサブクラス別に解析する予定である。また、抗ヒトCD1d抗体を添加あるいは投与して、B細胞分化・増殖あるいは抗体産生能をIgMおよび各IgGサブクラス別に解析する。これらは、当初予定していた研究で、計画通り推進可能と思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画はおおむね順調に進展しており、今後も当初予定していた計画通り推進可能と思われる。従って、経費使用計画の変更は予定していない。研究経費の大部分は、実験動物購入、細胞解析に必要な薬品や細胞分離・精製・培養に用いる試薬の購入費で占められ、これまでの我々の実績から慎重に積算した。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Kinetics of cellular and humoral immunity in a successful case of positive crossmatch kidney transplantation: a case report.2011
Author(s)
Tanimine N, Ide K, Yamashita M, Tanaka Y, Igarashi Y, Banshodani M, Tazawa H, Basnet NB, Doskali M, Onoe T, Tashiro H, Ohdan H.
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Journal Title
Transplant Proc.
Volume: 43
Pages: 2411-2414
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 広島大学におけるABO血液型不適合肝移植の現況とiNKT細胞制御による特異的減感作療法の可能性2011
Author(s)
田澤宏文、伊禮俊充, 五十嵐友香, 田中友加, 尾上隆司, 井手健太郎, 田原裕之, 番匠谷将孝, 小林剛, 大下彰彦, 天野尋暢, 田代裕尊, 大段秀樹.
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Journal Title
ABO血液型不適合移植の新戦略-2011
Volume: なし
Pages: 48-56
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[Presentation] 各種免疫抑制剤のB細胞に対する抑制効果について2012
Author(s)
田澤宏文,山下正博, 田中友加, 五十嵐友香, 安部智之, 橋本慎二, 平田文宏, 森本博司, 寺岡義布史, 堀田龍一, 井手健太郎, 石山宏平, 尾上隆司, 田代裕尊, 大段秀樹.
Organizer
第45回日本臨床腎移植学会
Place of Presentation
長野
Year and Date
2012.2.1-3
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[Presentation] 血液型抗原に対するB細胞免疫応答 ~A型抗原とB型抗原への応答は異なる~2011
Author(s)
山下正博,田澤宏文, 田中友加, 伊禮俊充, 五十嵐友香, 平田文宏, 安部智之, 橋本慎二, 森本博司, 寺岡義布史, 堀田龍一, 井手健太郎, 石山宏平, 尾上隆司, 大段秀樹.
Organizer
第18回ABO血液型不適合移植研究会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2011.7.30
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[Presentation] 血液型抗原に対する特異的減感作療法の可能性2011
Author(s)
田澤宏文, 伊禮俊充, 田中友加, 五十嵐友香, 尾上隆司, 井手健太郎, 田原裕之, 番匠谷将孝, 小林剛, 大下彰彦, 天野尋暢, 田代裕尊, 大段秀樹.
Organizer
第18回ABO血液型不適合移植研究会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2011.7.30
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[Presentation] iNKT細胞制御による新たなる血液型不適合移植に対する減感作法2011
Author(s)
田澤宏文,伊禮俊充, 田中友加, 五十嵐友香, 尾上隆司, 井手健太郎, 番匠谷将孝, 小林剛, 大下彰彦, 天野尋暢, 田代裕尊, 大段秀樹.
Organizer
第29回日本肝移植研究会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2011.7.22-7.23
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[Presentation] 血液型B型に応答するB-細胞は、血液型A型に応答するB-細胞と異なる2011
Author(s)
山下正博,田澤宏文, 田中友加, 伊禮俊充, 五十嵐友香, 平田文宏, 安部智之, 橋本慎二, 森本博司, 寺岡義布史, 堀田龍一, 番匠谷将孝, 井手健太郎, 石山宏平, 尾上隆司, 大段秀樹.
Organizer
第29回日本肝移植研究会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2011.7.22-7.23
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[Presentation] 血液型不適合肝移植後の長期経過における抗血液型反応寛容化の証明2011
Author(s)
田澤宏文,伊禮俊充, 田中友加, 五十嵐友香, 尾上隆司, 井手健太郎, 番匠谷将孝, 小林剛, 大下彰彦, 天野尋暢, 田代裕尊, 大段秀樹.
Organizer
第66回日本消化器外科学会総会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2011.7.13-7.15
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