2012 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック転写因子は血管再生治療の新規標的分子になり得るか?
Project/Area Number |
23659615
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
美甘 章仁 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30372709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 正幸 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60420519)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 血管新生 / 虚血 |
Research Abstract |
本年度は、熱ショック転写因子 (HSF1) 欠損(KO)および Wild type(WT)マウスの下肢虚血モデルを作製して、両者を比較・検討した。WTマウスと比較して、KOマウスの虚血下肢では血流量回復の低下と毛細血管密度の減少が認められ、虚血組織での血管新生が低下することが分かった。次に、FACS解析にて虚血3日後の末梢血中のSca-1陽性幹細胞を定量することで、骨髄幹細胞の動員を評価した。虚血前と比べてWTマウスでは幹細胞の動員が認められたが、KOマウスでは認められなかった。また、虚血1日後に骨髄細胞(CFSE蛍光標識)を経静脈的に投与し、虚血組織中のCFSE陽性細胞を組織学的に解析することで、集積を評価した。KOマウスの骨髄細胞を投与した際には、WTマウスの場合と比較して、集積細胞数が減少していた。最後に、骨髄キメラマウス作製後に虚血組織での血管新生を評価した。骨髄がWTマウスの場合と比較して、KOマウスの骨髄に置換したWTマウスでは血流量の回復が低下していた。一方で、骨髄がKOマウスの場合と比較して、WTマウスの骨髄に置換したKOマウスでは血流量の回復が増強した。以上から、HSF1-KOマウスでは骨髄幹細胞の末梢血への動員や虚血組織への集積が抑制され、虚血組織での血管新生が低下することが示された。 以上の結果より、HSF1は骨髄幹細胞の動態制御を介して、虚血組織における血管新生に寄与することが示唆された。
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