2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト肝幹細胞を起点とした肝臓組織再構築過程の三次元イメージング
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23659620
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小池 直人 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (50301081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 康晴 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60375235)
武部 貴則 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20612625)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 肝組織再構築 / 微小血管網 / イメージング |
Research Abstract |
組織幹細胞は組織を構成する細胞社会の頂点に位置し、組織の発生や恒常性維持を担っている。組織幹細胞を起点としたin vivoでの組織構築過程を理解することは、固形臓器を対象とした再生医学の開発において極めて重要な課題である。我々の研究グループはこれまでに、免疫不全 (NOD/SCID) マウスの頭蓋部に作製したクラニアルウインドウの内部で血管網を異所性に再構成する技術を確立している。 本年度は、マウスの頭蓋部に作製したクラニアルウインドウの内部でマウス胎仔肝臓細胞からの肝臓組織の再構成を試みた。単細胞化した胎生13.5日目のマウス肝臓細胞をヒト血管内皮細胞(HUVEC)とともにI型コラーゲンに包埋した後、クラニアルウインドウへ移植した。その結果、移植直後に散在していた肝細胞集団の一部が、移植一ヶ月後にはクラスターを形成し、肝細胞索様構造、胆管構造及びホスト側の血流を伴った血管ネットワークを再構築していることが確認された。再構成された組織を解析したところ、PECAM-1陽性の血管内皮細胞、サイトケラチン陽性の胆管上皮細胞、及びPAS陽性の肝細胞が確認された。 さらに、肝臓組織の再構成過程で形成される構造体の時空間的細胞局在パターン、血管系細胞との相互作用を解析するため、長焦点レンズを有した共焦点型超高速ライブイメージング顕微鏡を用いたタイムラプス解析系の構築を行った。その結果、クラニアルウインドウ内でGFPトランスジェニックマウスの胎仔肝臓細胞および、HUVEC細胞から肝臓組織が再構成される過程の4Dライブイメージングに成功した。本年度の研究により、肝臓組織の再構築過程を高い解像度で動的に捉えるための基盤技術を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝幹細胞を起点とした組織構築過程の全体像を捉えるために必須となる基盤解析技術の構築を行った。マウス胎児肝臓から単離した肝幹/前駆細胞を含む胎児肝臓細胞集団、および、血管内皮細胞(HUVEC)から肝臓組織の再構成が可能であることを見いだし、高解像度でライブイメージングを行う技術を確立した。研究は概ね順調に進展していると考えられる。イメージング系の確立に時間を要したため、肝臓組織の再構成過程で形成される構造体の時空間的細胞局在パターン、血管系細胞との相互作用については、十分な知見を得ていないため、平成24年度において詳細な検討を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究において、マウス胎仔肝臓細胞を起点とした組織構築過程のイメージングに成功したことから、次年度は、確立した解析系を駆使し、更に詳細な検討を行う。具体的には、肝組織の再構成過程において、肝臓を構成する各系列の細胞の局在パターンがどのように変化するかについて情報を取得する。肝臓組織の再構築過程における実質細胞と血管系細胞との局在パターンを解析することにより、器官形成過程における血管系細胞の役割について新たな知見が得られる可能性がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
肝臓組織の再構成実験においては、移植用マウス(NOD/Scidマウス等)の購入、血管系・間葉系細胞の購入、培養関連試薬の購入、血流の可視化に必要な試薬等の購入を予定している。 また、再構成された肝臓組織の組織解析を行うため、各種特異抗体等の購入を予定している。
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[Presentation] Identification and utilization of human cartilage stem cells from the ear.2011
Author(s)
Suzuki H, Kobayashi S, Takebe T, Mizuno M, Yabuki Y, Yasumura K, Murata S, Maegawa J, Taniguchi H
Organizer
The 12th Congress of the Asian Society of Transplantation.
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
Sep 25, 2011
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