2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659623
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (00245044)
藤本 康弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80335281)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / 糖尿病 / 細胞移植 |
Research Abstract |
平成23年度に実施した項目は次の3項目である。pPDX1-EGFPマウスiPS細胞の樹立:pPDX1遺伝子の増幅およびEGFP遺伝子を連結したベクターを作製は完了した。当該ベクターをラットから分離した膵島にリポフェクション法を用いて一過性に遺伝子を導入した結果、問題無く作動する事を確認した。現在、京都大学iPS研究所からマウスiPS細胞の購入準備を行っている。ブタ受精卵の培養:ラット受精卵を用いて先ずは「胚操作の技術確認」を行った。マウス受精卵を凍結保存する手法を用いてラット受精卵を凍結保存および解凍した後に擬妊娠メスラットの子宮内に移植した結果、約70%の確立で出産に至る事が判明した。当該結果により胚操作に問題無いと判断し、現在、ブタから受精卵を採取および凍結保存を行っている。ルシフェラーゼトランスジェニック(Luc-Tg)ラット由来膵島の共培養:先ずは8週齢Luc-Tgラットより膵島を分離し、同種MSCとの共培養を行った。当該研究の結果、MSC分泌因子の特定の分画に膵島を賦活化する因子が含まれている事が判明した(現在、論文投稿中)。そこで現在はプロテインチップ解析を行い有効成分の同定を行っている。一方、E14.5のLuc-Tgラットの膵原基を分離し、MSC共培養群とMSC非共培養群を準備した。IVISの発光輝度を指標に数値化した結果、約1.6倍の発光輝度の上昇が確認され、また成熟膵島様形態を示す細胞群が多数存在する事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日に発生した東北沖大震災の影響で、大学内での機器の再セットおよび実験に使用する予定であった培養細胞や遺伝子組換えラットの繁殖が当初予定していた期間よりも長引いた点が最大の原因である。再セット後は順調に実験計画に従って実験が進行しており、これまでの研究達成度の遅れを取り戻す為に努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は次の3項目について実施する平成23年度の計画実験の継続:京都大学iPS研究所からマウスiPS細胞を購入し、既に作製済みであるpPDX1-EGFPベクターをエレクトロポレーション法にて遺伝子導入し、pPDX1-EGFP マウスiPS細胞を株化する。一方、現在採取しているブタ受精卵が30個になった段階で、細胞移植を行い、in vitroでの発生(胚盤胞期まで)させる実験を迅速に遂行する。pPDX1-EGFPマウスiPS細胞由来キメラブタの作製:共同研究者である『明治大学の長嶋比呂志教授』より先天性膵臓欠損ブタを提供して頂き、このブタの受精卵にpPDX1-EGFPマウスiPS細胞を移植する。また別の受精卵にはコントロールとしてpCAG-EGFPマウスiPS細胞を移植し、胚発生が順調に進んでいるかの確認を行う。偽妊娠雌ブタの子宮に細胞移植済み受精卵を戻し、妊娠8~12週齢目に胎児を帝王切開で摘出する。蛍光顕微鏡下にて移植iPS細胞がブタ胎児の組織内に組み込まれていることを確認すると同時に、膵原基を分離する。pPDX1-EGFPマウスiPS細胞由来膵原基の培養:膵島の分離方法はコラーゲナーゼ潅流法と蛍光顕微鏡下におけるハンドピックアップ法を用いて行う。キメラ胎児ブタより分離した膵原基を前年度に実施したチャンバーシステムと間葉系幹細胞の基礎データを基に、培養系にて成熟化させる。培養期間や培地交換のタイミングは全て前年度の基礎データに順ずると共に、蛍光顕微鏡下にてEGFPの蛍光輝度を指標に経時的に評価する。成熟化の完了時には、RT-PCR法による膵臓マーカー遺伝子の発現確認、免疫染色法によるタンパク質の発現確認、培養系における糖負荷試験によるインスリン産生能の確認などを実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ブタ胚やiPS細胞の培養など「消耗品」を中心に使用する。現段階において計画外(「申請書に記載していない」の意)の機器購入などは無く、計画通りに研究費を分配して有効的に使用する。
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