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2011 Fiscal Year Research-status Report

食道癌における足場非依存性増殖と上皮間葉移行の機序解明

Research Project

Project/Area Number 23659637
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

松原 久裕  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20282486)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords食道癌 / 足場非依存性増殖 / Fra-1 / 浸潤能 / inavadepodia
Research Abstract

がんの浸潤転移に深く関与すると考えられる足場非依存性増殖能を食道癌がどのような分子機序で獲得しているのか、さらにこの機序解明が新たな分子治療モデルの開発に重要な貢献をする。ラットの細胞ではRasのシグナルがMEK/ERKの経路により浸潤能を獲得するが、ヒトではこの経路による形質転換を防ぐメカニズムがあり、ヒトでのガン化はこのメカニズムの破綻が重要であることが示唆された。ヒトとラット間で差のあったFra-1が予後不良因子であり、浸潤能に関与することを食道癌で明らかにした。また同時にFra-1をRNAiにより抑制することによって浸潤能が低下することも明らかにしたが、さらにFra-1抑制により足場非依存性増殖能が喪失すること、浸潤能が低下することについてその分子機構を明らかにするために癌の浸潤に関与する仮足の1つであるinvadepodiaに着目し、actinと結合するFascinについての関与を検討した。その結果、このFascinが食道癌組織において発現増強していることをPCRおよび免疫染色にて確認した。このFascinの発現に関し、臨床病理学的検討を加えた結果、癌の壁深達度、進行度、血管侵襲、術後再発と有意差を持って相関することを確認した。さらにこのinvadepodiaに関しMatrix Metalloproteinase(MMP)の発現がその浸潤に関与している報告がなされており、MMPの食道癌での発現に関しても検討を加え、PCRにてその発現が増大していることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

食道癌においてFra-1抑制により足場非依存性増殖能が喪失すること、浸潤能が低下することを明らかにし、その分子機構を明らかにするために癌の浸潤に関与する仮足の1つであるinvadepodiaに着目し、actinと結合するFascinについての関与を検討した。その結果、このFascinが食道癌組織において発現増強することを確認し、臨床病理学的諸因子と相関することも確認した。

Strategy for Future Research Activity

食道癌における足場非依存性増殖に関し、Fra-1とFascinの関係をマイクロアレイを用い、miRNAとの関連を含め、分子生物学的に明らかにする。さらにTGF等によるEMTによりこれら分子の発現変化を検討し、足場非依存性増殖とEMTとの関連を明らかにする。さらにこれら分子とエピジェネティクス制御に重要なヒストンのアセチル化の関与についても検討を加える。現在、Ras遺伝子導入による解析が遅れているのでこれについては早急に進捗を図る。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

・ヒト食道扁平上皮不死化細胞Ras遺伝子導入細胞での足場非依存性増殖能獲得の確認。 足場非依存性増殖の確認はマトリゲルを用いた細胞培養による細胞浸潤能の評価による手法がすでに汎用されており、この方法により施行可能と考えている。マイクロアレイで差のあることを確認した遺伝子の食道癌細胞でのタンパク発現の検討。プロテオミクスによるヒト食道扁平上皮不死化細胞株と食道癌培養細胞株におけるタンパク発現の差の検討。 ・Fra-1以外の発現に差を見いだした分子をRNAiにより発現制御する。Fra-1を制御するmiRNAを食道癌細胞へ導入し、増殖抑制効果、その分子機構について解析する。食道癌培養細胞株におけるFra-1に関連した分子のパスウェイ解析。パスウェイ解析で得られた分子(in vitro)の検討。食道癌臨床サンプルにおけるパスウェイ解析で得られた分子の関与の検討。パスウェイ解析は現在試行中である。すでにその解析ソフトは入手しており、別のプロジェクトであるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤における解析を行っている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] The molecular role of Fra-1 and its prognostic significance in human esophageal squamous cell carcinoma.2011

    • Author(s)
      Usui A, Matsubara H., et al.
    • Journal Title

      Cancer

      Volume: e-pup Pages: e-pub

    • DOI

      2011 Oct 25. doi: 10.1002/cncr.26652.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 食道癌に対する新たな治療戦略2011

    • Author(s)
      松原 久裕
    • Organizer
      第16回消化器癌フォーラム(招待講演)
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      2011年11月5日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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