2011 Fiscal Year Research-status Report
消化器神経内分泌腫瘍の発生、進展機構の解明とそれを応用した分子標的治療の開発
Project/Area Number |
23659638
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 博之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10312935)
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375631)
高屋敷 吏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30456024)
中島 正之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80466705)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 膵内分泌腫瘍 / 膵内分泌癌 / 転写因子 |
Research Abstract |
消化器領域の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)は比較的悪性度が低い腫瘍であるが、中には転移、浸潤をきたし、悪性度が高いものも含まれる。しかし、その腫瘍発生、進展の分子機構はほとんど知られていないのが現状である。 そこで、本研究の目的は転写因子などの分子生物学的観点から、本腫瘍に有効な新たな治療法を見出し、確立することである。本年度はこれまで当科にて切除手術を行った膵内分泌腫瘍の臨床病理学的特徴にて検討した。1997年より2011年12月まで切除術を行った膵内分泌腫瘍例は25例であった。これらを腫瘍発現分泌酵素別に見たところ、インスリノーマが6例と最も多く、ガストリノーマ、ソマトスタチノーマを各1例認めた。その他の17例は分泌酵素の発現を認めなかった。25例中、これまでに3例を原病死にて失っている。これらの3例はいずれも低分化型の腫瘍であり、うち一例は小細胞癌であった。特に、18歳女性に認めた小細胞癌では、切除手術を行ったものの、根治切除に至らず、腫瘍の再燃を早々に来たし、術後2ヶ月で失っている。このような症例における、神経分化に関わる因子、および、膵内分泌細胞の分化に関わる因子の発現を免疫染色にて確認しようと現在試みている。これまで、ngn-3, neuroD,pdx-1といった因子の免疫染色を施行しているが、現在までは至適な染色状況を見いだすことができず、その発現の正確な把握が困難であり、染色条件の変更などを挑戦している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去の膵癌内分泌腫瘍切除例の症例の集積については問題なく進行している。しかし、発現転写因子の検討では、免疫染色の至適染色条件がまだ決まっていないため、その結果をまとめる段階に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、至適染色条件の検討を行っている。特に、antigen retrievalの条件設定を種々の方法を試すことで施行する予定である。 また、膵内分泌腫瘍細胞株(例:MIN-6)におけるこれらの転写因子の発現をRT-PCR法や蛍光免疫染色法で観察し、その発現が認められた場合はsiRNA法やアンチセンス法を用いて発現抑制を行い、細胞増殖、発現酵素量の変化、細胞浸潤、遊走能の変化について検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず、免疫染色の至適条件の決定を行う。このため、各転写因子に対する抗体の購入、および、免疫染色用に使用する試薬の購入に充てる。また、細胞株を使用した実験を行うに当たり、細胞培養に必要な培養液、添加用血清、および培養プレートといった備品の購入にも使用する。siRNA実験では、発現阻害対象とする転写因子それぞれに対し、2-3種類の異なった配列のsiRNAを利用する必要がある。また、negative controlとしての対照実験を行う2重鎖RNAも購入する予定である。次年度は、このような計画のもとに実験を遂行する予定である。
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[Journal Article] Similarities and differences between intraductal papillary tumors of the bile duct with and without macroscopically visible mucin secretion2011
Author(s)
Ohtsuka M, Kimura F, Shimizu H, Yoshidome H, Kato A, Yoshitomi H, Furukawa K, Takeuchi, D, Takayashiki T, Suda K, TakanoS, Kondo Y, Miyazaki M
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Journal Title
Am J Surg Pathol
Volume: 35
Pages: 512-521
Peer Reviewed
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