2012 Fiscal Year Annual Research Report
大規模スクリーニングシステムによる肝再生医療を実現化する低分子化合物の同定
Project/Area Number |
23659650
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
汐田 剛史 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70263457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星川 淑子 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10181489)
神吉 けい太 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10516876)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 肝細胞分化誘導 / Wnt/beta-catenin経路 / 細胞ベース測定系 / ルシフェラーゼアッセイ |
Research Abstract |
重症肝疾患の治療には、肝移植の優れた点を継承し、ドナー不足の欠点を補う治療法として、幹細胞を利用した再生医療の開発が期待される。われわれは、Wnt/beta-catenin経路抑制性の低分子化合物のうち、ヘキサクロロフェン、ケルセチン、イマチニブがヒト間葉系幹細胞を機能性肝細胞へ分化誘導することを見出した。そこで、本研究は、Wnt/beta-catenin経路抑制性低分子化合物を選択するための細胞ベースの大規模スクリーニングアッセイ系を創出し、肝細胞分化誘導性化合物抽出のためのシステム開発を図り、肝細胞分化誘導性化合物を抽出することを目的とする。 スクリーニングは、ヒト間葉系幹細胞にCMVプロモーター上流に3回繰り返しのTCFモチーフをもつルシフェラーゼレポーター遺伝子を安定導入した細胞ベースのアッセイ系の構築を試みた。コントロール実験において測定値のばらつきが非常に大きく、大規模スクリーニングには不適であったので、平成23年度に、新規のルシフェラーゼレポーター細胞を樹立し、播種細胞数をウエル当たり2000個に増加させ、マルチドロップを使用し、播種細胞数のばらつきが減少させ、ハイドロキシウレア、コルヒチンなどにより、細胞周期を同調させるための諸条件を検討した。平成24年度には、さらにヒト間葉系幹細胞にCMVプロモーター上流に3回繰り返しのTCFモチーフをもつルシフェラーゼレポーター遺伝子を安定導入した細胞クローン19種類を新規に作製した。これらの細胞クローンについて、ヘキサクロロフェンの濃度を0、2.5、5、10Mの4条件で検討した結果、濃度依存性にWnt/beta-cateninシグナルに反応する細胞株#7-1-2を得た。ルシフェラーゼ活性が高く、ばらつきが少なく、 Wnt/beta-catenin経路抑制性低分子化合物を選択するためのシステムを開発した。
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