2012 Fiscal Year Annual Research Report
消化管間質腫瘍における血中浮遊腫瘍細胞検出とその有用性検討の試み
Project/Area Number |
23659651
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇野 太 岡山大学, 大学病院, 助教 (90572503)
|
Keywords | 消化管間質腫瘍(GIST) / 血中浮遊腫瘍細胞(CTC) / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
平成23年度に2種類の培養GIST細胞(GIST882,GIST48)にhTERTのmRNA発現とコクサッキーアデノウイルスレセプター(CAR)の発現を確認し、また実際に培養GIST細胞にテロメスキャンを感染させ、GFP蛍光が観察できることを蛍光顕微鏡下に確認していた。これにより血液中にGIST細胞が存在すればテロメスキャンで可視化できると予想できていたため、平成23年度から引き続きGIST患者血液を用いてのテロメスキャン感染GFP陽性細胞の検出を試みた。平成25年3月31日までに、12名のGIST患者より研究参加の同意が得られた。全例において原発巣の手術切除前に血液を採取した。採血サンプルは溶血させた後に遠心にて細胞成分を分離して、1×104PFUのテロメスキャンウイルスと24時間混合培養した。回収した細胞をcytospinにてスライドガラス上にspot状に張付け、蛍光顕微鏡下に陽性細胞を確認したところ12例中6例の症例でGFP陽性細胞が確認できた。GFP陽性細胞数は1症例あたり1-7個の範囲で確認できた。この結果はGIST症例においても末梢血中に浮遊腫瘍細胞(CTC)が存在することを示唆する結果であり、今まで全く報告されていない事実である。また、この結果は採血という非侵襲的に方法によって得られており、臨床的意義の大きい新規バイオマーカーとしての可能性を示唆したと考える。さらにGFP陽性細胞を蛍光顕微鏡下でなくフローサイトメトリーを用いて確認することが3例で可能であった。この3例で1個・4個・7個のGFP陽性細胞が得られたため、極少細胞からDNA を抽出した。全症例で原発巣のC-kit遺伝子変異解析はできており、CTCと思われる細胞から抽出されたDNAをシークエンスにかけて原発巣のC-kit遺伝子解析結果と比較する段階まで研究は進展した。
|