2011 Fiscal Year Research-status Report
miR-gene pathwayを応用した胃癌白金製剤感受性因子の同定と臨床応用
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23659656
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 雅之 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 講師 (80254639)
平島 浩太郎 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (10594468)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 胃癌 / 白金製剤 / 耐性 |
Research Abstract |
本研究は、われわれが大腸癌で報告した白金製剤感受性遺伝子POLBを胃癌に応用し、切除不能進行再発胃癌にたいするfirst-lineであるCDDPの感受性をmicroRNAを頂点としたpathwayを解明し、感受性マーカーとしての応用や、創薬へ応用することを目的とした。まず、胃癌細胞株におけるPOLB mRNAの発現をreal time RT-PCR法で確認した。以前われわれが報告した大腸癌では、POLBは癌部で有意にその発現は上昇していたが、胃癌臨床検体では癌部、非癌部の発現はほぼ同等であった。また、胃癌細胞株でのPOLBの発現は、大腸癌細胞株と比較し、非常に発現が低かった。大腸癌での結果から、POLBの過剰発現はCDDPの耐性を招くことが推測されたため、胃癌でのPOLBの低発現は、大腸癌ではCDDPは臨床では用いられないが、胃癌ではfirst-lineであることを裏付ける結果であった。この結果を受けて、25例の切除不能進行再発胃癌でCDDP投与症例の切除検体もしくは生検検体を用いて、POLBの発現を免疫染色にて検討した。その結果、POLB陽性は7例であり、いずれもCDDPの感受性は認めなかった。POLB陰性例では奏功後に根治手術を行えた症例を4例認めたが、POLB陽性例では認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CDDP投与症例の集積がやや遅れているため、本研究全体の進捗はやや遅れていると思われる。これは確実にCDDPの感受性予測を行うことが目的であるため、前治療が行われている症例などを除外しているためと思われる。またFNCD2についてはPOLBに比較し、解析が遅れている。しかし、POLBについては、retrospectiveの検討ではあるが、実際の切除標本や生検サンプルからCDDPの耐性を予測することが可能であることが示唆された点で、非常に意義深いと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
。POLBについてはretrospectiveな結果が、仮説どおりに得られたため、prospectiveな解析を行うため、本年度に引き続き、CDDP投与症例のサンプル集積に努める。また、microRNA microarrayへの解析を推進し、POLB遺伝子の制御にかかわるmicroRNAの同定を行いたい。また、同時にFANCD2の解析を同じサンプルを用いて、早急に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
POLB遺伝子については本年度の解析結果をもとに、microarray解析を行う予定にしており、解析に使用したいと考える。また、microarrayで得られた新規のmicroRNAの臨床検体でのvalidation(RT-PCRや免疫染色)やmicroRNA-gene pathwayの機能解析のため、細胞実験の試薬に使用したいと考える。
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Research Products
(2 results)