2012 Fiscal Year Annual Research Report
miR-gene pathwayを応用した胃癌白金製剤感受性因子の同定と臨床応用
Project/Area Number |
23659656
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 雅之 熊本大学, その他の研究科, 准教授 (80254639)
平島 浩太郎 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (10594468)
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Keywords | 塩基修復遺伝子 / 白金製剤耐性 / microRNA / 胃癌 |
Research Abstract |
胃癌臨床検体の癌部及び非癌部のPOLB mRNAの発現を定量的RT-PCR法で測定したところ、大腸癌組織では癌部が非癌部と比較し有意に高発現であったが、胃癌では有意差は認めなかった。また、胃癌細胞株のPOLB mRNAの発現を定量的RT-PCR法で測定したところ、大腸癌と比較しその発現は全体的に低下していた。以上より、大腸癌に比較し胃癌においてCDDPはkey drugになることが示唆された。 初診時に切除不能進行胃癌と診断された治療前の内視鏡的生検サンプル及び、根治術後の再発例の切除標本サンプルを対象に、免疫組織学的にPOLB蛋白の発現を検討した。POLB高発現症例は34例中12 例 (32%)に認められた。POLB蛋白陽性症例ではCDDP奏功例は認められず、化学療法後に根治切除が施行される症例も認められなかった(投稿中)。 次いで血清microRNAが治療効果のマーカーになりうるかを検討した。定量的RT-PCR法にて血清中のmicroRNA-21を測定した。その結果、血清中microRNA-21の発現は非担癌症例に比較し、食道癌症例において有意に上昇していた (p <0.001)。また、化学療法を施行し、治療に反応が見られた24例 (RECIST: PR, CR)においてもその発現は治療後に有意に低下していた。よって食道癌において血清中microRNA-21は治療効果を判定するbiomarkerになり得ることが示唆された(Kurashige et al. J Surg Oncol, 2012)。 現在、POLB遺伝子の制御機構としてmicroRNAに注目し研究を推進している。POLB遺伝子を標的とするmicorRNAの候補としてmicroRNA-499がin silicoで挙げられる。そこで血清中microRNA-499がCDDPの感受性因子になり得るかを現在、検討している。
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