2012 Fiscal Year Annual Research Report
新たなヒト体性多能性幹細胞(Muse細胞)を用いた心筋再生治療の開発
Project/Area Number |
23659667
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寒川 延子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (30432579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00243220)
宮川 繁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70544237)
西 宏之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00529208)
吉川 泰司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40570594)
井手 春樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (90600122)
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Keywords | 再生医療 / 幹細胞 / Muse細胞 / SSEA3 |
Research Abstract |
本研究は、Muse細胞がES細胞やiPS細胞が抱える問題を克服できうるような再生医療に適した細胞源となり得るかどうかを検討し、その有用性を分子レベル、細胞レベル、組織レベルで評価することにより、Muse細胞を用いた心疾患に対する新たな再生治療法確立を目的とする。 平成23年度は、SSEA3を指標に培養正常ヒト皮膚線維芽細胞に含まれるMuse細胞を分収し、マイクロアレイによる遺伝子発現プロフィールの網羅的な比較検討を行った。その結果、細胞増殖、細胞周期、細胞分化に関わる遺伝子群の発現にSSEA3陽性細胞特異的な遺伝子発現パターンが存在することを確認した。 平成24年度は、前年度の結果を基に、異なるlotの成人由来培養正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いて、マイクロアレイによる遺伝子発現プロフィールの再現性確認を試みた。しかし、使用した成人由来培養正常ヒト皮膚線維芽細胞ではSSEA3陽性細胞率は極めて少なく、その採取は極めて困難であった。そこで、新生児由来培養正常ヒト皮膚線維芽細胞を用い、SSEA3陽性細胞の分収を試みた。しかし、SSEA3陽性細胞率は低く、成人由来、新生児由来どちらの培養正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いても、十分なSSEA3陽性細胞を得ることができず、遺伝子発現プロフィールの再現性確認には至らなかった。続いて、Muse細胞の未分化維持、心筋分化誘導に適した培養基質を探索することを目的とし、ラミニン、フィブロネクチン等の細胞外基質上での正常ヒト皮膚線維芽細胞の接着能と増殖能、分化能についての検討を試みた。その結果、特定のラミニン上で培養した細胞は他の基質上で培養した細胞よりも強い接着能を示すことが明らかとなった。増殖能については、基質の違いによる顕著な差は確認できなかった。また、分化能については、十分な細胞数を得ることができず、検討に至っていない。
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