2011 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAを用いた心房細動発症機序の解明と新規治療法の確立
Project/Area Number |
23659668
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉谷 徹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90448035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00243220)
宮川 繁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70544237)
白川 幸俊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20457013)
西 宏之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00529208)
吉川 泰司 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40570594)
鳥飼 慶 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70364792)
金 啓和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (70532985)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 心房細動 / micro RNA / スタチン |
Research Abstract |
本研究の目的は、以下に示すとおりである。1. 心臓手術を施行する際に心房組織を採取し、以下の点を明らかにする。A:miRNAをスクリーニングして心房線維化に関連するmiRNAを同定する。B:心房の病理組織学的検討を行い、心房線維化とmiRNAとの関連を検討する。2.スタチン製剤投与の有無で分類する前向きの無作為試験を行い、以下の点を検討する。A:スタチン製剤の術後心房細動の抑制効果とmiRNAの発現や抑制との関連。B:患者血漿から上記miRNAを同定し、その発現や抑制が発症予測に有用であるか評価する。3.イヌ心房細動実験モデルを用いて上記miRNAの抑制が心房細動抑制に有用かを検討する。 平成23年度研究においては、上記1を中心に研究を施行した。30例から心房組織を採取し、micro RNAを網羅的に解析し、micro RNA-21および208bが心房細動患者の組織にて強く発現していることを明らかにした。また、心房組織の線維化との関連も存在することも新たに判明した。以上の成果を循環器学領域では最高レベルの学会であるAmerican Heart Associationの年次学術集会にて発表し、現在は論文として投稿中である。本成果は、心房細動に関するmicro RNAの新たな知見であり、学術的意義は大きく、今後の発展性が期待される。 上記2に関しては、1の目的で得られた結果をもとに現在は前向き試験の前段階として、観察研究として患者血漿における心房細動micro RNAの評価を行っており、スタチン投与による術後心房細動の発生における影響についても現在解析中である。同時に前向き試験に向けた準備を遂行中であり、今後は対象micro RNAを明らかにしつつ、症例の収集を始め、適宜研究を遂行していく方針である。 上記3に関しては、計画書通り来年度に施行する方針である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度の研究目的は2点あり、1点目の心房組織におけるmicro RNAの発現解析と組織との比較については一定の成果を上げることができたが、2点目のスタチン製剤の前向き試験の進行はやや遅れている。理由としては、micro RNAの血漿レベルの測定がいまだに不安定であることと、症例数が当初の見込みより遅れている点が挙げられる。また、研究計画書の承認に時間を要しており、前向き試験の実施には時間を要する見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は血漿レベルのmicro RNAの測定法を確立し、スタチン製剤によるAf抑制効果とmicro RNAの関連を明らかにする予定である。前向き試験の遂行が困難な場合はまず観察研究によるデータの解析を先行させることも考慮に入れている。 更にイヌ実験モデルにおける検討を本年度は行う方針であるが、至急された費用では当初の予定頭数を実施することが困難であると予想される。可能な範囲内での実験を遂行する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は引き続きmicro RNAの解析に費用を要する。また、論文化や成果の学会発表のための費用も必要となる見込みである。イヌ実験モデルによる検討にも着手する予定で、予算の範囲内でイヌを用いた実験の費用に使用する見込みである。
|
Research Products
(1 results)