2011 Fiscal Year Research-status Report
エネルギーデバイスを用いた切離における組織補強素材の検討
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23659675
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
島田 順一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60315942)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | エネルギーデバイス / 組織補強素材 |
Research Abstract |
大動物の血管の切断をモデルに実験を組み立てた。豚の径5mm前後の筋性血管である頚動静脈と細い腸間膜動脈の径の異なる血管を対象にハーモニックエースでの切断実験を行った。実験手法の概要としては、まず対照実験として(1)何も使用せずにそのまま血管をハーモニックエースで切断し、続いて補強素材として(2)ネオベール、(3)タココンブ、(4)サージセルニューニットでそれぞれ血管に巻き、その上からハーモニックエースで切断した。その後に切断した血管に内圧をかけ、断端の破断するときの圧力を計測した。それぞれ複数本の血管で測定し比較を行った。また、切断に要する時間(秒)を記録した。結果は、サージセルニューニットを巻き、血管切断を行うことが、もっとも耐圧性が高く、そのままと比較すると概ね2倍に上昇することを確認した。切断時間も通常のそのまま切断したものと比較し約3~5割短縮され5秒以内であった。一方タココンブでは切断時間が1.5倍要する逆の結果となった。その組織学的根拠を求めるべく、切断断端のPFA包埋とHE染色を行った。このときに、人工物と生体組織の界面がある小さな組織片からの組織の薄切切片を作成する手順確立に難渋を極めた。包埋までは問題なく行えるものの、取り分け使用した補強素材が熱変性により硬化するため柔らかい血管壁との境界部位の硬度に差があり組織が崩壊してしまい薄切操作が困難であった。現在、この問題を解決しHE標本の作製することが可能となり全ての組織標本の画像データを得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 エネルギーデバイスを 用いた 組織切離を行った場合の豚の血管のモデルで切断部の変成癒合タンパク質のコアギュラムの染色と評価方法が未だ確立できていない。これは、組織補強素材を用いて切断した断端をパラフォルムアルデヒドで処理してヘマトキシリンーエオジン染色をするために組織薄切するときに、素材と生体組織の界面で組織が崩壊してしまう。様々な組織固定の方法を調整し、2012年1月になって、一定した組織固定と切片作成方法が確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度での組織固定と切片作成の方法で一定した条件で組織を作り、組織採取時のデータを分析しつつ、組織補強素材に必要な要件を見いだす実験を行い発表する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度で、達成できなかったデータ採取と評価をおこなうために、動物材料による実験を行う。2012年12月までに実験データをまとめ、来年度の国際学会で発表を行う。
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