2011 Fiscal Year Research-status Report
海馬のてんかん発生に関わる神経ネットワークスケールの測定
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23659681
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中里 信和 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80207753)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | てんかん / 海馬 / 神経ネットワーク / MRI |
Research Abstract |
てんかん発生に関わる神経ネットワークの空間的広がりと大きさを描出する新しい技術について基礎的知見を得ることを目標に研究を行った。並行して行なっていた研究によって、より優れた海馬のてんかん発作モデルの創出にいたったため、そのモデルを使用して研究を進めた。光感受性遺伝子(チャネルロドプシン2)を導入した遺伝子改変ラットの海馬に、光ファイバーを介して間欠的な光刺激を与えることで高効率にてんかん発作を誘発できる。このてんかん発作モデルを用いて、てんかん発生に関わる神経ネットワークの解析を行った。(1)光刺激誘発発作の脳波解析: 間欠的な光刺激によって海馬に誘発されるてんかん発作を、多点脳波によって記録した。数理解析(Granger causality analysis)を応用し、海馬の長軸方向への情報の流れ(information flow)が発作の生成に重要であることを明らかにした。つまり、てんかん発作開始時にはseptalからtemporal hippocampusへのcausalityが増すが、発作の終末に向けて同期性の増加とともに情報の流れが逆転することがわかった。現在は、さらに両側海馬の脳波同時記録を行い、解析を進めているところである。(2)fMRIとの同時記録: 先のモデルを用いることで、アーチファクトの少ないMRI記録が可能である。MRIの測定環境に光ファイバーと脳波電極を導入する方法について、モデルを作成しながら基礎的検討を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時とは異なるてんかんモデルを使用することになった。てんかん発作の誘発および発作時の生理学的現象を観察する点においては優れたモデルであり、海馬でのてんかん発作発生時に海馬長軸方向の神経ネットワークが重要な役割を果たすことを明らかにできた。一方で、MRI同時測定は技術的および人員的理由から着手が遅れている。現在、同時測定用の光ファイバーおよび電極の選択と基礎的検討を行っており、来年度には目標を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
光誘発による海馬てんかん発作について、fMRIの同時測定を行う。MRI測定については、ラットにおける測定経験が豊富な本学加齢医学研究所川島隆太研究室(住吉晃先生)に協力いただく方針である。てんかん発作発生過程のBOLD変化を測定し、てんかん発生に関わる神経ネットワークの広がりについて時間的変化を明らかにする。免疫組織学的検討も加えて、BOLDで検出された活動範囲との相関を求める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請通り、実験用ラットの購入と免疫染色用抗体の購入に充てる。さらに、MRI同時測定用の光ファイバーおよび電極について追加の消耗品購入を予定している。
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Research Products
(1 results)