2011 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマに対する血管内皮前駆細胞を利用した自家細胞療法の開発
Project/Area Number |
23659689
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中林 博道 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (70346716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 託 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (10294547)
中谷 善彦 国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (40582169)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 悪性グリオーマ / 血管内皮前駆細胞 / TRAIL / biotin-avidin |
Research Abstract |
1.マウス血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell: EPC)の確保: 安楽死させたマウスの大腿骨と脛骨を採取した後、骨髄細胞浮遊液を回収し、単細胞浮遊液とし、Lonza社製の専用培養液にて15日間培養後に、細胞表面マーカー(CD34, CD309)により培養・分化させた細胞がEPCであることを確認した。2. マウスEPCへの遺伝子導入の準備: EPCへの遺伝子導入の準備として既に構築済みのプラスミド(pSec-hsTRAIL)を用いて、まずは株化されたマウス株化線維芽細胞(NIH/3T3)への遺伝子導入を脂質系トランスフェクション試薬を用いて試みたが、細胞からhuman TRAILの分泌は微弱で、次いで実験機材のデモンストレーションの際にエレクトロポレーション(Neon Transfection System)を用いて遺伝子導入を試みたが、やはりhuman TRAILの分泌は微弱であった。現在、プラスミドの再構築を含め、対応を考慮中である。3. Avidin-biotin system を利用した細胞膜修飾についての基礎的検討: まずはSulfo-NHS-biotin(Thermo)を用いた細胞表面へのbiotin付加の手法を試みた。既に購入済みであった。Sulfo-NHS-biotinを培養したNIH/3T3 細胞の培地へ加え、細胞表面にbiotinを付加した。次いで、Qdotストレプトアビジン(購入済み)を反応させると、細胞表面にQdotの蛍光シグナルを確認した。つまり細胞表面にbiotinが付加されたことが確認された。さらにこの細胞を用いてMatrigel invasion assayを行ったところ、Matrigelを通過した後でも細胞表面にQdotの蛍光シグナルを確認し、biotinが細胞表面から離脱していないことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウスの骨髄から採取した骨髄単球系細胞からのEPCへの分化については順調に進行しているが、マウスEPCへの遺伝子導入へ向けた基礎実験では目標タンパク(human TRAIL)の分泌がいまだ微弱であり、プラスミドの改良あるいは再構築を含めて対処が必要であり、初年度の到達目標へは達していない。Biotin-avidin systemを用いた細胞表面へのbiotin修飾については予想通りの成果であるといえる。また融合タンパク関係の領域では現状では構想のみで着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の初年度は研究代表者である中林が国立大学法人高知大学講師から国際医療福祉大学教授としてへ7月に異動したことによる研究環境の変化や研究構成員の変更があったこと、また予想以上に臨床医学の仕事が忙しくて研究にかけられる時間が絶対的に不足していたことが、研究の進行が予想より遅れている最大の要因であった。そこで本研究を推進するために、これまでより研究に専念できる環境を求めて、本年4月より大分県立看護科学大学生体科学研究室の教授として異動した。今後は、現状から最善の研究成果が得られるように研究の方向性を再検討し、他の研究構成員ともども研究活動に専念していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が平成24年4月に大学を異動したことにより、初年度の交付額のうちの実際に執行されていない分を研究遂行のために研究機材の購入に当てる予定である。また元来の次年度に執行する予定の研究費は実験消耗品に当てる予定である。
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