2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659690
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
清水 惠司 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70116044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八幡 俊男 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40380323)
東 洋一郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (80380062)
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / エピジェネティクス / 幹細胞 / 非対称分裂 |
Research Abstract |
癌幹細胞が悪性脳腫瘍内に同定され、その悪性度への関連性や治療標的としての重要性が認識されている。また、この分野の研究から幹細胞などの未分化細胞が発ガン過程に寄与していることが明らかにされつつある。悪性グリオーマ細胞や組織において、非対称分裂の異常が生じている可能性を検討するために幹細胞と分化細胞を識別する手技を確立した。幹細胞マーカーNanog遺伝子のプロモーターの下流に蛍光タンパクEGFPを組み込んだベクターを構築後、悪性グリオーマ細胞株への遺伝子導入により幹細胞を標識した。FACSにより蛍光を発する細胞を分離し、このコンストラクトにより幹細胞と分化細胞が識別されているか各種分化細胞マーカーを用いて検証している。一般的な血清を含む培養液で培養した悪性グリオーマ細胞において、体性幹細胞マーカーCD133に加えてグリア前駆細胞マーカーであるA2B5を用いてフローサイトメトリーにより幹細胞及び前駆細胞を特定し、薬剤耐性遺伝子MDR1がCD133陽性細胞に加えA2B5陽性細胞の一部でも高発現していることを検出した。一方、神経幹細胞用の無血清の培養液で培養した悪性グリオーマ細胞幹細胞を多く含むものでは、幹細胞や前駆細胞に限局せず、両マーカー陰性の分化細胞においてもMDR1の発現が観察された。これらのことから悪性グリオーマにおいてMDR1は未分化細胞で発現しているが、無血清条件ではある液性因子により分化細胞でも発現誘導されることが明らかとなった。
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Research Products
(14 results)