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2011 Fiscal Year Research-status Report

拡散テンソル画像を用いた非侵襲脳温測定法の開発

Research Project

Project/Area Number 23659696
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

小川 彰  岩手医科大学, その他部局等, 学長 (10204067)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤原 俊朗  岩手医科大学, 医学部, 助教 (60405842)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords脳血管障害 / 脳循環 / MRI / 拡散テンソル / 拡散強調画像
Research Abstract

本研究では、脳虚血症例の脳循環代謝異常を一般臨床でも非侵襲的に検出することを目的とし、MRI拡散テンソル画像に基づく新たな脳温測定法の開発を目指している。当初の計画では、本年度に人工脳脊髄液が循環可能なMRI用試料撮像機器(ファントム)を作成予定であったが、簡易ファントムでの予備実験期間中に当施設3TMRIが故障したため、大型ファントムの作成を中断した。急遽、研究協力者の施設に付属する動物用11.7TMRIにて代替実験を実施するために、小さい径の装置でも撮像可能な試験管サイズの簡易ファントムに人工脳脊髄液を封入し、温度を変化させながら拡散強調画像の撮像を行った。また、小さい径のサイズのファントム内で人工脳脊髄液の循環を再現することは困難であったため、循環時の流速を計測するphase contrast法の撮像は実施しなかった。その結果、超高磁場である11.7TMRIでも温度変化と拡散係数の変化は相関したことから、拡散係数による温度計測は静磁場の強さに依存しないことが明らかとなった。また、人工脳脊髄液の温度の上昇に伴い、ファントムの上下に生ずる温度差が大きくなり、温度マップ上に明らかな温度分布の差が反映された。これは、ファントムの保温方法が不完全であることを示しているが、温度差が拡散強調画像から作成した温度マップに確実に反映していることも同時に示していた。本年度予定していた症例撮像は、健常ボランティアについては実施できなかったが、慢性脳虚血症例については、3TMRIの故障前までに20例実施することができた。また、モヤモヤ病など一部の慢性脳虚血症例にてPETの撮像を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当施設の3TMRIが年度途中に故障したことから、当初の実施計画は変更を余儀なくされたが、研究協力者と連携することで他施設によって代替実験を実施することができた。その結果、動物用ではあるが超高磁場MRIを用いて新たな知見を得ることができた。また、大型ファントムを作成する前に、簡易ファントムによって温度計測時の保温方法の問題点も明らかにできたことから、予備実験としてはおおむね順調と思われた。症例撮像数は少なかったが、今後当施設に新たに導入される予定である3TMRIにて追加撮像が可能であり、問題は少ないと考えられた。特に、今回の結果で、拡散強調画像を用いた温度計測法は静磁場強度に依存しないという点は、今後超高磁場7TMRIを用いた研究などへ応用可能な知見が得られたという意味で、その意義は大きい。

Strategy for Future Research Activity

初年度で作成した簡易ファントムの保温精度を向上させ、新たに導入される3TMRIにて撮像を実施する。また、制限拡散ファントムの簡易版を作成し、同様の実験を行う。新たに導入される臨床の3TMRI装置での実験が困難な場合には、研究協力者の11.7TMRIや、ヒト用3TMRI、7TMRIが稼働している海外の研究協力者の施設において、撮像実験を実施する。簡易制限拡散ファントムは、プラスティックのケース等に人工脳脊髄液、ゼラチン、フェリチンを混ぜ、作成する。まず、対照群として人工脳脊髄液のみを封入したものと、人工脳脊髄液にゼラチンを混ぜたものを作成する。ゼラチンを混入させたものは濃度を変えて複数作成する。これによって非制限拡散と、制限拡散における拡散係数の違いを計測する。次に、この制限拡散ファントムにフェリチンを混ぜ、鉄沈着がみられる黒質、淡蒼球の制限拡散についても検討する。フェリチンファントムもゼラチン濃度を変えて複数作成する。作成した制限拡散ファントムには、MRI対応温度計を埋め込み、温度計測しながら拡散テンソル撮像を予定しているが、温度計がMRIに対応していない場合には、撮像前後の平均温度をファントムの実温度とする。撮像された全ファントムの拡散係数から算出した温度と、実測温度との相関を明らかにし、相関があった場合には制限拡散での温度変換式を定義する。相関がみられなかった場合には、MRI撮像パラメータを変更し、再度同じ解析を行う。上記実験に並行して、健常者および慢性脳虚血患者の撮像を実施する。これらの式から、健常者と慢性脳虚血患者の温度を算出し、両群の差を明らかにする。また、患者群ではPETにて撮像された酸素摂取率と算出された温度との相関を確認する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

簡易ファントムの保温構造を改善するために、ファントム材料費が必要となる。また、国内および海外の研究協力者との研究打ち合わせのために国内・外国旅費が必要である。慢性脳虚血患者の脳循環代謝測定のために、核医学撮像(PET、SPECT等)のためのトレーサー購入費が必要である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Detecting damaged regions of cerebral white matter in the subacute phase after carbon monoxide poisoning using voxel-based analysis with diffusion tensor imaging.2012

    • Author(s)
      Fujiwara.S, et al.
    • Journal Title

      Neuroradiology

      Volume: in press Pages: -

    • DOI

      10.1007/s00234-011-0958-8

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 高分解能DTI tractographyを用いた三叉神経痛における拡散異常の検出

    • Author(s)
      藤原俊朗
    • Organizer
      第14回日本脳神経減圧術学会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      平成24年1月19日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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