2012 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマに解糖系異常亢進をもたらすスプライシング異常
Project/Area Number |
23659700
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
片倉 隆一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (10442675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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Keywords | 代謝 / 解糖系 / ワールブルグ効果 / PKM / グリオーマ |
Research Abstract |
がん特有の糖代謝様式(解糖系の異常亢進:ワールブルグ効果)と密接に関連する”解糖系酵素ピルビン酸キナーゼM(PKM)のアイソザイム変換”及びその原因(スプライシング異常)を、グリオーマの新規診断・治療標的として開発することを目標として、研究に取り組んだ。本年度の成果としては; (1)マウス脳室下帯(SVZ)から神経幹細胞を単離・樹立した。この神経幹細胞を用い、in vitro培養系にて分化誘導実験を行った。その結果、もともと優位であるM2型PKMの発現が、分化に伴って減少し、代わりにM1型PKMの発現が上昇することが分かった。これら結果から、発がんに伴う「M1型から、M2型へ」とは逆の、神経幹細胞分化に伴う「M2型から、M1型へ」のスイッチングがあることが分かった。 (2)グリオーマにおけるPKMスプライシング異常の原因として、ヒストン修飾酵素の発現異常、あるいはその結果としてのヒストン修飾異常の意義を検討した。正常アストロサイトおよびグリオーマ細胞株を用い、それぞれの細胞における、PKM遺伝子座のヒストン修飾を、クロマチン免疫沈降法により、解析した。その結果、PKMスプライシング異常の程度と、PKM遺伝子座における、ある種のヒストン修飾の程度が、よく相関していることが明らかになった。次いで、そのような特徴的ヒストン修飾への関与が疑われる、ヒストン修飾酵素遺伝子群の発現プロファイルを解析し、一部遺伝子について、発現異常を見出した。
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Research Products
(5 results)