2011 Fiscal Year Annual Research Report
グライコミクスによる変形性関節症の早期診断に有効な血清糖鎖マーカー探索
Project/Area Number |
23659702
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西田 欽也 北海道大学, 大学病院, 助教 (10567374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 倫政 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30322803)
西村 伸一郎 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (00183898)
天野 麻穂 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 特任助教 (80365808)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 血清糖鎖マーカー / グライコミクス |
Research Abstract |
変形性関節症の早期診断のための血清マーカーの探索を目的に研究を進めた。変形性膝関節症(OA)患者および健常者の血清5-20μ1を用いた。血清中からグライコブロッティング法を用いて高速(5時間程度)かつ高効率に、糖蛋白質からN-結合型糖鎖の遊離精製を行った。得られたN-結合型糖鎖をMALDI-TOF/MSに供することで、各糖鎖構造を推定し、内部標準物質のピーク面積からの比例計算により定量化を行った。解析は現在進行中である。患者検体はX線所見にて膝OAと診断されたKellgren-Lawrence分類grade 2-4の患者より採取している。糖鎖解析は、本申請者が中心となり西村、天野らの協力のもと行っている。独自に開発したグライコブロッティング法は従来の解析法に比べ飛躍的に解析時間の高速化と高効率性を実現し、これまで困難とされていた大規模糖鎖解析を可能とし、本研究で予定している検体数の解析を早急に進めているところである。統計学的解析によりAUC(Area Under the Curve)が0.85以上の糖鎖およびその組み合わせを抽出する。先行研究の結果より、5から10程度の候補糖鎖および組み合わせが予想される。さらに、糖鎖関連分子のOAの病因における機能的役割を解明するためにスフィンゴ糖脂質を軟骨組織特異的にノックアウトしたマウス(UgcgKOマウス)を用いてOAモデルを作成し、その機能解析を行った。その結果、GSLsは軟骨の発生や分化には必須ではないが、正常な軟骨代謝を維持し、OA進行を抑制する機能を持つことが示唆された。
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