2012 Fiscal Year Annual Research Report
変形性脊椎症の分子病態解明のためのcre/loxPシステムの確立を目指した研究
Project/Area Number |
23659706
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 慶宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00422296)
小野 貴司 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00506248)
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Keywords | 椎間板 / 変形性脊椎症 |
Research Abstract |
本研究は変形性脊椎症の病態の解明を目的として、①椎間板特異的creマウスの作成を念頭においた脊椎・椎間板特異的マーカー遺伝子の探索、と②椎間板変性モデルマウスの確立、という2点を中心的な目標にかかげて申請し、研究に着手した。 ①については、具体的にはマウスの椎間板において顕微鏡下に線維輪・髄核・軟骨終板を高純度に成功し、なかでも線維輪に比較的特異性の高い遺伝子の同定に成功し、同遺伝子が椎間板線維輪の発生・成熟に重要な機能を果たしている可能性を見出した。一方で髄核特異的なマーカーとなりうる候補遺伝子を抽出するにはいたらなかった。 ②については腰椎の椎間板穿刺による変性モデルや靭帯切除による不安定性惹起モデル、腰椎の椎関関節切除術モデルなどさまざまなマウスモデルの試行錯誤を重ねた結果、腰椎の椎関関節切除により、術後8週にて高率に椎間板変性が惹起できることを見いだした。本術式にて得られた変性椎間板の組織切片にて変性椎間板にて線維輪細胞の肥大化が生じることを見いだし、さらに肥大化した線維輪細胞において軟骨細胞の変性過程で発現が上昇することで知られる10型コラーゲン遺伝子の発現の上昇がみられることもつきとめた。椎間関節切除術による椎間板変性モデルはこれまでに報告のない新規モデルであり、本モデルはより人間の変性の病態に近いものであることから本モデルにより、新たな多くの知見が今後得られると期待される。 現在、本業績に関して投稿論文の執筆中である。
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