2011 Fiscal Year Research-status Report
軟骨無形成症に対する生体適合性ナノキャリアを用いた新規遺伝子治療法の確立
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23659708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
位高 啓史 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (60292926)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 軟骨無形成症 / 遺伝子治療 / ナノキャリア / 生体適合性 / FGFシグナル |
Research Abstract |
初年度である本年は,軟骨無形成症モデルマウスを導入し,安定した繁殖条件を確立した.研究協力者村上よりFGFR3遺伝子変異マウス(ヒトの軟骨無形成症原因遺伝子であるG380Rに相当するG374Rのノックインマウス)の供与を受け,Prx1-Creマウスとの交配で四肢にのみ形質を発現するモデルマウスを作成した.ジェノタイピングにより遺伝子変異の確認されたマウスは,想定通り正常マウスと比べて四肢短縮の表現形を呈することを確認した.また投与遺伝子として,CAGプロモーター下にCNPを発現するプラスミドDNAを構築し,細胞への導入によりCNPの発現を免疫学的解析にて確認した.予備的な投与実験を開始し,幼少マウスへのナノキャリアを用いた遺伝子導入法として,四肢骨格筋への筋注またはハイドロダイナミクス法投与,遺伝子キャリアを保持するコラーゲン担体の皮下留置による方法,尾静脈注による肝ターゲットハイドロダイナミクス投与などの手法を,複数のナノキャリア調製条件を含めて検討した.肝ターゲット注によって最も高い遺伝子発現が得られることが確認されたが,生後3週以前では技術的に投与が困難であるため,より幼少時からの投与を必要とする場合は,コラーゲン担体による投与を併用する手法を用いる方針とした.既にCNP遺伝子の四肢短縮の発症マウスへの投与予備実験を開始した.ただし表現形発現マウスは出生数の1/4に限られるため,今後安定的なマウス数を確保するため,メスの親マウス数を増やし,次年度以降系統的に解析を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り,軟骨無形成症の表現形を発現するマウスを確立し,安定的な繁殖を開始している.また投与予定の遺伝子発現ベクターを作成し,投与におけるキャリア調製条件,投与法について検討を行った.平成24年度以降に計画した疾患治療効果を確認する実験を,既に一部開始しており,当初計画以上の進展状況と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
疾患モデルマウスに対する疾患治療効果を確認する実験を鋭意推進する.四肢長の身体計測,骨形態計測,骨軟骨の組織学的解析を進める.また投与の安全性についても検討を加える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,研究費は主にマウス飼育費,遺伝子ナノキャリア調製に用いる試薬類購入に用いる計画である.
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