2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23659715
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大川 淳 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30251507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 義則 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄付講座教員 (50345279)
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Keywords | 骨代謝 / 血圧調節機構 / プロレニン受容体 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
骨粗鬆症と高血圧症は、高齢者に生じる代表的な疾患であり、社会の高齢化に伴い今後さらに増加が見込まれており、病態解明と治療法の開発は急務である。高血圧症を示す患者は骨量が減少しており、骨粗鬆症罹のリスクが高くなることから、骨代謝と血圧調節機構との間には強い関連性があると考えられるが、その詳細な分子生物学的機構は全く解明されていない。血圧調節において、レニン、アンジオテンシン系は最も重要な役割を担っており、なかでもプロレニンはその中心的な役割を果たす。そこで本研究では、プロレニン受容体に着目し、その骨における意義をプロレニン受容体改変マウスの解析を通じて解明し、骨代謝と血圧調節機構とのクロストークを検討することを目的としている。本年度は昨年に引き続き、in vivoでの組織特異的プロレニン受容体欠損マウスの解析を行い、骨代謝および血圧調節に及ぼす影響を、分子生物学的、組織学的に解析した。まず、組織特異的プロレニン受容体欠損マウスを用いて、マイクロCTおよび骨形態計測法を用いた骨量測定、骨形成および骨吸収の指標の評価と、骨芽細胞、破骨細胞の分化や増殖に重要な遺伝子、蛋白の発現を大腿骨より調整したcDNA、蛋白を用いて、リアルタイムPCR法およびWestern blot法で検討した。その結果、組織特異的プロレニン受容体欠損マウスは著しい骨量の低下、骨形成の抑制を認めた。さらに、骨芽細胞マーカーの発現の減少を認めた。また、平成23年度に同定された破骨細胞からの骨芽細胞調節因子を骨芽細胞および破骨細胞に過剰発現あるいはノックダウンしてその機能の解析を行った。 以上より、骨組織特異的PRR欠損マウスで、破骨細胞由来因子の異常により、骨形成が障害されることがはじめて明らかとなった。以上の結果は、PRRの骨代謝での生理的意義と、骨と血圧調節機構のクロストークを解明する上での新しい知見となる。
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Research Products
(10 results)