2011 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症に対する後期糖化最終生成物による半月板変性の影響
Project/Area Number |
23659716
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平岩 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70566976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
濱田 恭 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90566978)
山本 隆一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80586743)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 変形性膝関節症 |
Research Abstract |
変形性膝関節症(以下、膝OA)の予防・治療のため、その発症原因究明の一端として、後期糖化最終生成物(以下、AGE)が膝半月板変性に与える影響を調査している。ます最初に、膝OAに対するAGEの物理的な関与につき調査した。ペントシジンやCMLなどの各種AGEの抗体を用いた免疫染色にて、変性程度やAGEの種類により染色に差があることを発見した。今後サンプル数を増やすことでそれぞれの症例ごとにおける年齢や膝OA進行程度と各AGEの影響を詳細に解明できると考えている。つづいて膝OAに対するAGEの化学的な関与につき半月板細胞や軟骨細胞を用いて調査した。AGEの受容体のひとつであるRAGEのsignalingを調べたところp38の関与が認められた。しかしこのp38は種々の受容体からの経路であり、このままこのp38を治療ターゲットとはできないため、現在この上流のシグナルの解析中である。このほかに最近RAGEのデコイの働きをする可溶性RAGEの研究が各分野で行われており、膝関節内にもこの可溶性RAGEの存在が認められている。これまでの調査でAGEによる軟骨への代謝的反応が可溶性RAGEで抑制できることを証明できており、受容体より前でRAGEの経路を抑制し治療ターゲットとなりやすいと考えられる可溶性RAGEの調査もRAGEのsignalingの調査と並行して行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半月板組織を用いた各種AGEの調査では染色の傾向がみえてきており、このままサンプル数を増やすことで詳細なデータが得られると考えている。半月板および軟骨細胞を用いた調査ではRAGEシグナルの解明には難航しているが、かわりに可溶性RAGEの可能性を広げることができたため、差し引きで考え、おおむね順調とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
半月板組織を用いた各種AGEの免疫染色の調査にてこれまでつかんだ傾向をさらに確実なものとするため、サンプル数を増やして詳細なデータが得るための研究を進めている。半月板および軟骨細胞を用いた調査ではこれまで行ってきたRAGEシグナルの詳細、特にRAGEのすぐ下流のシグナルの調査を続行しながら、可溶性RAGEの分類や分泌産生などの詳しい調査も行っていく。さらにAGE-OAモデルマウスをもちいてのin vivo研究も進めているところである。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗体、試薬、各種測定キット、その他の物品費研究に携わる人の人件費学会参加・報告のための旅費など
|