2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659721
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60191558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 周久 大阪大学, 学内共同利用施設等, 助教 (40432421)
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Keywords | 成長軟骨帯 / 間葉系細胞 / 成長軟骨帯損傷 / 成長軟骨帯再生 |
Research Abstract |
本研究は成長軟骨帯損傷に対して、その再生を目指すための新規治療法開発が目的である。臨床的には人工物や他組織(脂肪組織等)を用いた成長軟骨帯損傷後の成長障害に対しての治療法が行われている。しかし、成長軟骨帯そのものを治療するというコンセプトの治療法はなく、本研究が目指したのは成長軟骨帯損傷の根本的な治療法であった。 本研究では、滑膜細胞を用いて3次元間葉系由来組織を作成し、白色家兎の脛骨近位成長軟骨帯損傷モデルおよび損傷による脛骨変形モデルに対して移植実験を行った。まず、成長軟骨帯損傷モデルに対する3次元組織移植では、コントロールが全例成長軟骨帯の骨性架橋を認めたのに対して、臨床的に使用されている骨蝋移植群と比べても遜色ない成長軟骨帯骨性架橋予防が可能であった。さらに、組織学的には成長軟骨帯に特徴的な軟骨細胞の柱状構造が認められ、成長軟骨帯様組織が確認できた。さらに、成長軟骨帯損傷後骨性架橋による脛骨変形モデルにおいては、3次元組織移植群では、骨蝋移植群比較して同等あるいはそれ以上の変形矯正効果を認めた。さらに、3次元組織を移植した部分の成長軟骨帯は再骨性架橋を認めず、成長軟骨帯様組織(軟骨細胞の柱状構造および軟骨基質産生)を認めた。これらの結果は、間葉系細胞から構成される3次元組織の成長軟骨帯への移植は、その再生を促しうることを示唆していると考えられた。さらに、3次元組織移植のみで成長軟骨帯様組織の再生を認めたため、将来的な臨床応用を考えると同組織への成長因子等の添加は必要ないと考えられた。一方、再生した成長軟骨帯様組織が移植した組織由来か移植を受けた成長軟骨帯周囲組織由来かを判別するために、ウイルス感染実験等を行うもその正確な機序は判別できず、将来的な実験に持ち越された結果となった。
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Research Products
(3 results)