2012 Fiscal Year Annual Research Report
光線力学療法で誘導される微粒子を用いた骨肉腫に対するがん免疫療法の挑戦的研究
Project/Area Number |
23659730
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Research Institution | Heian Jogakuin(St.Agnes')University |
Principal Investigator |
楠崎 克之 平安女学院大学, 文化創造センター, 客員教授 (30177993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細木 誠之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30433254)
芦原 英司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70275197)
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Keywords | 骨肉種 / アクリジンオレンジ / 光線力学的治療法 / 免疫療法 / 微粒子 / エキソゾーム / 細胞内小器官 / マクロファージ |
Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続きマウス骨肉腫細胞株LM8細胞を培養し、アクリジンオレンジ(AO)暴露と光照射により遊離したexosome(EX)を、ExoQuick溶液を用いて収集しEXの構成成分および由来細胞内小器官について検討した。ついでこの採取したexosomeをマウス血液から採取したマクロファージに暴露して細胞内への取り込みの有無について蛍光標識法で観察した。さらにEXの免疫賦活作用についてin vivoで検討するために、LM8細胞をC3Hブラックマウスの皮下に移植して骨肉腫の動物実験モデルを作成した。この培養細胞から得られたEXを腫瘍周囲の皮下に局所注射し、腫瘍の縮小効果の有無について検討した。また肺転移の抑制効果についても検討した。EXの膜成分としては昨年度の研究でLAMPが豊富であることが判明したが、今年度の研究では遊離したexosomeはAOで染色されるだけでなく、ミトコンドリアの生体色素であるJC-1、核DNAの生体染色色素であるヘキスト33342、およびゴルジ装置の生体染色色素C5 Ceramide、小胞(ER)生体染色色素ER-Trackerでも染色されることが分かった。以上の結果からEXの細胞内の由来は従来考えられているmultivesicular body (MVB)だけでなくER、ゴルジ、ミトコンドリア、ライソゾームなどの様々な細胞内小器官の可能性があることが分かった。マウスマクロファージへのEXの暴露ではAOを蛍光標識して細胞内への取り込みを検討したが、この系では明らかな細胞内への取り込みは確認できなかった。またマウス骨肉腫モデルを用いたEXの免疫賦活を介した腫瘍縮小効果および肺転移抑制効果も認めなかった。以上の結果からは当初予想した骨肉腫由来のEXがマクロファージに貪食されて免疫を賦活することによる抗腫瘍効果は認めなかった結論した。
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Research Products
(9 results)